「Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeed」は、薄型テンキーレス設計と高速ワイヤレス接続を備えた最新ゲーミングキーボードです。
本記事では、スイッチの種類やキー配列、接続方式、バッテリー性能などの基本スペックから、実際の使用感を含めて幅広くレビューしたいと思います。
【商品提供:Razer Japan】
Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedの仕様
キースイッチ | Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ |
---|---|
キー荷重 | Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ(45g) Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ(45g) Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ(40g) |
キーストローク | 2.8mm |
アクチュエーションポイント | Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ(1.2mm) Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ(1.6mm) Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ(1.2mm) |
キーストローク寿命 | Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ(6,000 万回) Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ(8,000 万回) Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ(8,000 万回) |
キーロールオーバー | Nキーロールローバー(100%アンチゴースト対応) |
接続タイプ | Razer HyperSpeed Wireless (2.4 GHz) Bluetooth USB Type C による接続 |
ポーリングレート | 最大1000Hz |
バッテリー持続時間 | 最大 980 時間(パワーセーブモード) |
外形寸法 | 幅 (W): 約357 mm 奥行 (D): 約160.5 mm 高さ (H): 約24.5 mm |
重量 | 約865g |
製品保証 | 2年 |
参考価格 | 28,880円 |

Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedの特徴
ロープロファイル

背の低いロープロファイルに対応した薄型メカニカルスイッチを採用しています。フロント部分のキートップの高さは1円玉よりわずかに大きい18.5mmに抑えられています。
高さが低いため、手首が自然な位置になるような角度がつくので、リストレストなしでも疲労感を感じにくく、長時間の使用でも快適なタイピングが可能です。
ただ、従来の薄型メカニカルキーボードでは、キーを押したときの感触に満足できないという意見が多くありました。
そこでRazerは独自技術によって、「Razer 薄型メカニカルスイッチ」を開発しました。この新しいキーによって、従来の薄型メカニカルキーボードにあった欠点を克服し、快適なタイピングを実現しました。
3種類のRAZER 薄型メカニカルスイッチ

メカニカルスイッチには、歯切れのよりクリック感の「Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ」、タクタイル感+静音性の「Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ」、スムーズかつ静音の「Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ」の3種類があります。
この3種類のメカニカルスイッチは、下記のように細かな仕様がそれぞれ異なります。
![]() Razer 薄型グリーン クリッキーメカニカルスイッチ | ![]() Razer 薄型オレンジ タクタイルメカニカルスイッチ | ![]() Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ | |
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キーストローク寿命 | 6,000 万回 | 8,000 万回 | 8,000 万回 |
キーの感触 | タクタイル感 + クリック感 | タクタイル感 + 静音性 | 滑らかで静か |
キーのストローク | 2.8 mm | 2.8 mm | 2.8 mm |
アクチュエーションポイント | 1.2 mm | 1.6 mm | 1.2 mm |
リセットポイント | 1.3 mm | 1.7 mm | 1.2 mm |
押下圧 | 45g | 45g | 40g |
その他の機能 | ・ラウンドウォールの改良クロスステム ・半透明トップハウジング搭載 RGB ライティング | ・ラウンドウォールの改良クロスステム ・半透明トップハウジング搭載 RGB ライティング ・工場で潤滑処理済み | ・ラウンドウォールの改良クロスステム ・半透明トップハウジング搭載 RGB ライティング ・工場で潤滑処理済み |
Razer HyperSpeed Wireless & Bluetooth

ワイヤレス接続では、 2.4GHz接続、若しくはBluetooth接続に対応しています。
2.4GHz接続では超高速Razer HyperSpeed Wireless技術を採用しているので、ラグをほとんど感じないゲーム体験が可能です。Razer HyperSpeed Wirelessは2世代目へと進化しており、さらにラグが少なくなっています。
HYPERSPEED マルチデバイスペアリング

マルチデバイスサポートに対応しているので、互換性のあるRazer製マウスであれば、キーボードとマウス、同じドングルにペアリングできます。これによって、ドングルを複数接続する必要がなくなります。
マルチファンクションローラーと 3 つのコントロールボタン

キーボードの右上にはマルチファンクションローラーと3 つのコントロールボタンが配置されています。
音楽の管理、バッテリー残量の確認、AIプロンプトマスターを起動など、複雑な操作は必要なく、ワンタッチで様々なコントロールが可能となっています。
アルミニウム製トップケース

高級感と耐久性を両立させた、5052アルミ合金製の頑丈なトップケースを採用しています。重量感があるので、安定したタイピングが可能となります。
最適なタイピングエクスペリエンス

潤滑スタビライザーや、ステンレス製のプレートの下に配置された2層の吸音フォームにより、キーを押すたびにクリアで心地よいタイピング音と感触を味わうことができます。
テクスチャ加工のダブルショット PBT キーキャップ

テクスチャ加工のダブルショット キーキャップには、ABSを上回る耐久性を持ち、キートップの印字が摩耗して消えることはありません。
また、バックライトが効果的に透過する設計なので、ライティングをオンにするとキーの文字がはっきり見えます。
長時間のバッテリー駆動

パワーセーブモードを有効にした状態だと、合計で最大980時間のバッテリーが持続します。1日10時間、作動させたとしても、約3カ月近くバッテリーが持つ計算になります。
RAZER SNAP TAP

例えば、FPSのゲームで、A+Dのキーを両方入力した場合、入力判定が曖昧になり、キャラクターの動きが静止したままになってしまいます。
この場合、正しい入力判定を受けるために、AキーかDキーのどちらかのキーから指を離す必要があります。
一方、「Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeed」には、「Snap Tap」機能が搭載されているため、キーを両方入力したとしても、最後に押したキーの入力が判定されます。
つまり、Aキーを入力したまま、Dキーを入力したとしてもきちんとDキーの入力が判定されます。指をわざわざキーから離す必要がなくなるため、キー入力の応答性を劇的に向上させることができます。
Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedのパッケージ内容

パッケージ内容は以下の通りです。
- キーボード本体×1
- USBドングル×1
- USB Type A to Type Cケーブル+USB ドングルアダプタ ×1
- マニュアル×1
- ステッカー×1

キーボード本体です。

USBドングルです。

USB Type A to Type Cケーブルとその先端にはUSB ドングルアダプタがついています。脱着は可能です。USB ドングルアダプタにUSBドングルアダプタを接続します。ケーブルの長さは1M以上あります。

マニュアルです。

ステッカーです。
Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedの外観

テンキーレスということで、本体サイズは幅357 mm、奥行160.5mm、高さ24.5mmとコンパクトなサイズ感です。

表面はヘアライン加工が施されており、高級感を漂わせます。

チルト機構を立てない状態でも緩やかな傾斜がつけられています。

背面には、「パワーインジケーター」、「USB Type Cポート」、「有線/無線切り替えスイッチ」があります。

有線接続する際はWIREDに切り替えます。有線接続すると自動的に充電されます。

本体を裏返して裏側をチェックします。


両側には角度を調整できるチルト機構が備わっています。


チルトの角度は6°と9°の2段階で調整できます。

ゴム製のグリップが上部に2枚、下部に3枚貼られています。

USBドングルアダプタを収納できるスペースが設けられています。

重量は実測で約865gでした。持ち運びには向きませんが、重量感があるので安定感があります。
Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedのキーボードレイアウト

日本の市場向けにローカライズされた88キーの日本語配列を採用しており、アルファベットと記号のみが印字された「かななし」のキーキャップになっています。

キーボードの左部分です。キーの側面には2.4Ghz接続、Bluetooth接続の印字があります。またSHIFTボタンの位置に、SNAP TAPのオン/オフキーも割り当てられています。Fnキーとの同時押しで切り替えが可能です。

キーの右側です。右上には下記のキーが配置されています。
- スリープモード(F8キー)
- マクロ記録(F9キー)
- ゲーミングモード(F10キー)
- バックライトコントロール(F11キー、F12キー)

メディアキーや矢印キーは右端に配置されています。

スペースキーは一般的なJIS標準のキーボードよりも長めのバータイプを採用しているので利便性が高いです。
Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedのメカニカルスイッチ

今回レビューするのは「Razer 薄型イエロー リニアメカニカルスイッチ」を搭載しているものになります。
このキースイッチは押下圧40gの軽量なリニアタイプで、メカニカルスイッチの打鍵感を維持しつつ、静音性を高め、滑らかな感触を実現しています。
また、キーストローク寿命は8,000 万回なので、高耐久性も実現しています。

一般的なメカニカルスイッチで例えると赤軸に近い感触です。最初から最後まで抵抗が一定でスムーズに底まで沈み込みます。


円形のウォール構造がぐらつきを大幅に軽減し、激しいゲームプレイでも安定したタイピングが可能です。


ブラックのキーキャップはテクスチャ加工のダブルショット キーキャップを採用。
ABSを上回る耐久性を持ち、さらにキートップの印字が摩耗して消えることはないので、同じキーを酷使するハードゲーマーでも一安心です。


半透明のキーキャップから綺麗に光が漏れ出ているので、キーの文字ははっきり見えます。
メディアキーとマルチファンクションローラー


マルチファンクションローラーではローラーを回すことでメディアの音量の調整が可能です。また、ローラーを押すことでミュートも可能です。
メディアキーは左から「マルチファンクションボタン」、「AIプロンプトマスターボタン」、「バッテリーライフ/ステータスボタン」が並んでいますj。
マルチファンクションボタンでは、下記のようにメディアの操作をワンタッチで行えます。
- 1回押す→メディアの再生/一時停止
- 2回押す→次のトラックへ進む
- 3回押す→前のトラックへ戻る


AIプロンプトマスターボタンではChatGPT、若しくはCopilotによるAI機能にアクセスできます。テキストでは、言い換え、要約、メールを作成の3種類のタスクを実行できます。画像では画像生成を行えます。
自分好みのプロンプトにカスタマイズも可能です。


バッテリーライフ/ステータスボタンでは、バッテリー残量を確認できます。キーボードの数字のキーのライティングが光るので、バッテリー残量を瞬時に確認できます。
Razer Synapse
Razerが提供する統合型デバイス設定ソフトウェアである、「Razer Synapse」から様々な設定が可能になります。
主な設定項目は以下の3つです。
- カスタマイズ
- ライティング
- 電源
それぞれ詳しく解説していきます。
カスタマイズ
カスタマイズで設定できるのは、「ゲーミングモード」、「スナップタップ」、「HYPERSPEED マルチデバイスペアリング」、「ポーリングレート」、「キースイッチの最適化」、「キーボードのプロパティ」、「キーの割り当て」、「Hypershift」です。
ゲーミングモード


ゲームではほぼ使うことはない、Windowsキーなどを無効化できます。これによって、ゲーム中、特定のキーの誤爆を防ぐことができます。
スナップタップ


キーを2つ押した場合のキーの同時入力を阻止し、最新のキー入力が優先されます。デフォルトでAキーとDキーの2つのキーが登録されていますが、自分で好きに設定できます。
HYPERSPEED マルチデバイスペアリング


対応するRazer製マウスとキーボードを1つのドングルでペアリングするための設定を行います。
ポーリングレート


ポーリングレートは、キーボードが1秒間に何回PCにデータを送信するかを示す頻度です。この数値が高いほど、キー入力がPCに反映されるまでの遅延が少なくなり、より滑らかで正確な操作が可能になります。
ポーリングレートは、125、250、500、1000の4種類から選べます。
キースイッチの最適化


キーボードの応答性をタイピング、若しくはゲーミングから選べます。
タイピングでは二重入力が起こる確率を大幅に減らし、タイピングの正確性を向上されます。ゲーミングでは、誤入力を防ぐための待ち時間(デバウンスディレイ)を短くし、応答性を高めます。ただし、二重入力が起こる確率は上がります。
キーボードのプロパティ


Windows上のキーボードのプロパティを立ち上げることができます。
キーの割り当て


キーの割り当てができます。メディアキーでは唯一、AIプロンプトマスターボタンだけ割り当てが可能です。AI機能を使う予定がないのなら、他の機能に割り当てすることをおすすめします。
Hypershift


キーに第2の機能を割り当てるHypershiftの設定ができます。例えば、F2キーにAIプロンプトマスターのボタンを割り当てた場合、Fnキーを押しながらF2キーを押した場合、AIプロンプトが立ち上がります。
ライティング
ライティングで設定できるのは、「輝度」、「ライティングをオフにする」、「効果」です。
輝度


キーのライティングの明るさを設定できます。輝度は0から100まで設定可能です。
ライティングをオフにする


キーのライティングが自動的にオフになる条件を設定できます。ディスプレイがオフになったとき、アイドル状態の2種類を設定できます。片方だけでなく、両方の設定を有効にできます。
効果


キーのライティングの色や発光パターンを変更できます。色はプリセットだけでなく、HEXやRGBで調整して、自分でカスタマイズ可能です。
また、高度な効果にすれば、Razer Chromaから設定が可能になります。
電源
電源で設定できるのは、「減光機能」、「ワイヤレスパワーセーブ」です。
減光機能


何も操作していないアイドル状態から何分後にキーのライティングの明るさを弱めるか設定できます。
ワイヤレスパワーセーブ


何も操作していないアイドル状態から何分後にスリープモードになるかを設定できます。



パワーセーブモードの有効化という設定項目もありますが、単純にパワーセーブモードの有効化についてのやり方が掲載されているだけなので、ここでは割愛します。
実際にRazer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeedを使ってみた感想
ここではを実際に使ってみて感じた感想をお伝えします。
圧倒的な入力速度でゲームが有利に


実際に「Apex Legends」を2.4Ghzワイヤレス接続して遊んでみました。
ロープロファイルキーボードということで、キートップからスイッチまでの高さが低く、さらに、アクチュエーションポイントが1.2 mmと非常に浅いため、素早い入力がしやすいです。
この入力のしやすさは特定のキーを頻繁に入力するFPSゲームと相性が良いです。
「Apex Legends」ではAキー、Dキーを繰り返し入力して、左右に動きながら撃つテクニックが重要ですが、入力速度が速いため、この操作がとてもやりやすかったです。
また、Snap Tap機能に対応しているので、Aキーを押しながらDキーを押しても、きちんとDキーの入力が優先されるので、
打鍵音の確認はこちらから↓。
長時間プレイでも疲れにくい


キーのストロークが短いため、指を大きく動かす必要がなく、さらに軽い力で入力できるスイッチが多いため、長時間のプレイでも指にかかる負担が少ないです。
さらにロープロファイルキーボードなので、手首をデスクに置くことも容易なので、リストレストを別途用意しなくても問題ありません。
長時間の使用でもほとんど疲労感を感じませんでした。
機能性について


キーボード本体だけでなく、Razer Synapseも使えるので機能性に優れています。
特に便利なのが、マルチファンクションローラーです。
ゲームの音量を瞬時に調整できますし、押し込めば一瞬でミュートにできます。ゲーミングヘッドセットのボリューム調整ダイヤルより遥かに音量調整がやりやすいです。
メリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
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テンキーレスなのでコンパクト 日本語配列に対応 素早い入力が可能 快適な打鍵感 長時間の使用でも疲労感が少ない 低遅延なワイヤレス接続 バッテリーの持続時間が長い 1つのドングルでキーボードとマウスに接続可能※対応製品に限る 有線、2.4Ghz、Bluetoothの3種類の接続に対応 キーキャップの印字が摩耗しない Snap Tapに対応 | 静音タイプキーだが打鍵音はそこそこある キースイッチの交換は不可能 ラピッドトリガー非対応 |
まとめ
「Razer BlackWidow V4 Low-Profile Tenkeyless HyperSpeed」は、薄型デザインとワイヤレス機能を兼ね備えたゲーミングキーボードです。
特徴的な薄型メカニカルスイッチとロープロファイル設計により、快適なタイピングとゲームプレイを提供します。さらにRazer HyperSpeed Wireless対応で、遅延を最小限に抑えた高速な通信を実現。
さらに、キーボード単体、Razer Synapseで、細かなカスタマイズも可能で、ゲームのパフォーマンスを上げることができます。
薄型ながらも十分な機能性を誇り、長時間プレイでも快適に使用できる一品です。


↓動画版はこちらから