Razerが誇るハイエンドゲーミングマウス「Razer Basilisk V3 Pro 35K」。
圧倒的な高精度を誇る、新開発のFocus Pro 35Kオプティカルセンサーを搭載しており、ガラスをはじめとする多種多様の表面において、非常に優れたトラッキング性能を発揮します。
さらに、エルゴノミクスに基づいたサムレスト付きデザイン、プログラム可能な13個のボタンによる高いカスタマイズ性、3つの独自のモードを切り替え可能なHyperScroll チルトホイールなど、数多くの特徴も兼ね備えています。
本記事では、「Razer Basilisk V3 Pro 35K」を徹底的にレビューします。
【商品提供:Razer Japan】
Razer Basilisk V3 Pro 35Kの仕様
形状 | 右効き用 |
---|---|
センサー | 第 2 世代 Focus Pro 35K オプティカルセンサー |
感度 (DPI) | 35,000 |
最大速度(IPS) | 750 |
最大加速度(G) | 70 |
左右クリックボタン | 第 3 世代 RAZER オプティカルマウススイッチ |
ボタンの数 | 13個 |
ポーリングレート | 1000Hz ※別売のRazer Mouse Dock ProまたはHyperPolling Wireless Dongleと併用すれば、8000Hzも可能 |
バッテリー寿命 | 最大 140 時間(2.4Ghz) 最大 210 時間(Bluetooth) |
外形寸法 | 幅 (W): 約75.4 mm 奥行 (D): 約130 mm 高さ (H): 約42.5 mm |
重量 | 112g |
保証期間 | 2年 |
参考価格 | 26,980円 |
すでに、「Razer Basilisk V3 Pro」が発売済みですが、今回レビューする「Razer Basilisk V3 Pro 35K」はその後継モデルになります。
「Razer Basilisk V3 Pro」から大きく進化したのが搭載するセンサーです。
センサーが、「Focus Pro 30K オプティカルセンサー」から、「第 2 世代 Focus Pro 35K オプティカルセンサー」になり、トラッキング性能がさらに向上しました。
さらに、感度マッチャー、ダイナミック感度などの機能にも対応しており、「Razer Basilisk V3 Pro」から、全体的にスペックが底上げされています。

Razer Basilisk V3 Pro 35Kのパッケージ内容

パッケージは、お馴染みのRazerのブランドカラーである黒と蛍光色の緑を基調としたデザインとなっています。

パッケージ内容は以下の通りです。
- Razer Basilisk V3 Pro 35K×1
- USB-A to USB-Cケーブル(長さ約190cm)×1
- USBワイヤレスドングルアダプタ×1
- USBワイヤレスドングル×1
- ステッカー×1
- マニュアル×1
Razer Basilisk V3 Pro 35Kの外観

シェルは、Razer製マウスお馴染みのマットなコーティングが施されています。サイズは、約75.4 mm(幅)×約130 mm(奥行)× 約42.5 mm(高さ)です。

デザインは右利き用に設計された、エルゴノミクスデザイン。
親指を自然に休ませることができるサムレストが設けられていることもあって、左右対称デザインの同じRazer製の「Viper」シリーズとは異なるデザインです。
カラーバリエーションについては、Razerの王道であるブラック以外にもホワイト、中身が透けて見えるファントムグリーンエディションも用意されています。

右側には特に何もなく、指の滑りを防止するラバーが貼られています。

左側には、サイドボタンとサムレストが設けられています。またこちらにもラバーが貼られています。

2つのサイドボタンの下部に、マルチファンクショントリガーが設けられています。マルチファンクショントリガーを押している間、設定したDPI(初期設定だと400DPI)に調整されます。
例えば、FPSなどでスナイパーライフルでエイムしているときだけDPIを下げるといった目的で使用します。

後方には、RAZERのロゴの装飾が施されています。RGB LEDが内蔵されており、通電時は点灯します。

左右のクリックボタンは間にホイールがある、セパレートタイプです。クリックボタンには、8,000万回耐久の「第 3 世代 RAZER オプティカルマウススイッチ」を採用。

フロントボトムのUSB Type-C端子にケーブルを接続すれば、充電が開始されます。もちろん、ケーブルを接続したまま、有線マウスとしても使用可能です。

スクロールホイールには、3つのスクロールモードを備えたRAZER HYPERSCROLL チルトホイールを採用。
モード | 特長 | 用途 |
---|---|---|
タクタイル | 一般的なマウスホイールのように、回転ごとに明確なノッチ(抵抗感)を感じるモード。 | 高精度なスクロールが必要な場面、例えばゲーム内で武器やアクションモードの切り替えなどに適しています。 |
フリースピン | 抵抗感がなく、非常にスムーズで高速なスクロールが可能なモード。 | 長いウェブページやPDFの閲覧などの適しています。 |
スマートリール | スクロールの速度に応じて自動的にタクタイルモードとフリースピンモードが切り替わります。 | 高精度な操作とスピーディな操作を両立したいときに適しています。 |

ホイールをゆっくり回しているときはタクタイルに、ホイールを早く回しているときはフリースピンに切り替わる、スマートリールモードは特に便利だと感じました。両方のモードの良いとこ取りです。


ホイールは上下左右の4方向に対応。さらに押し込むクリックもできるので、ホイールだけで合計5つの動作を割り当てられます。


ホイールの下部には、スクロールモードボタンとDPIサイクルボタンがあります。
スクロールモードボタンは押すごとに、スクロールモードがタクタイル、若しくはフリースピンに切り替わります。
DPIサイクルボタンは押すごとに、Razer Synapseで設定した5つのDPI(初期設定では400、800、1600 (デフォルト)、3200、6400)を切り替えることができます。


底面中央には、最大35,000 DPIに対応する、第 2 世代 Focus Pro 35K オプティカルセンサーを搭載。底面上部、センサー右側、センサー下部、そしてセンサー周辺部と、合計5枚のソールが貼られています。


センサーの近くには、「2.4GHz/Bluetooth切り替えスイッチ」、「プロファイルボタン」があります。
最大で5つのプロファイルを保存可能です。プロファイルはオンボードに保存されるため、Razer Synapseがインストールされていない環境でも、読み込むことが可能です。


充電モジュールのRazer Wireless Charging Puckを外すと、USBドングルを収納できるスペースにアクセスできます。



Razer Wireless Charging Puckをつけた状態であれば、Razer Mouse Dock Pro、Razer Charging Pad Chromaなどで、ワイヤレス充電が可能になります。


重量は実測で約113gでした。


Razer Chroma RGBライティングに対応しています。ライティングする箇所は、ホイール、ロゴ、底面の縁の3箇所です。
Razer Basilisk V3 Pro 35Kの持ち方をチェック
マウスの代表的な持ち方である、「つまみ持ち」「つかみ持ち」「かぶせ持ち」の3種類の持ち方で、Razer Basilisk V3 Pro 35Kの持ちやすさをチェックします。


つまみ持ちは、ほぼ指先のみでマウスをつまむように支え、手のひらはマウスにほとんど触れないスタイルです。マウスの重量が113gと軽量ではないので、つまみ持ちには適しておりません。


つかみ持ちは、指先と手のひらの下部(付け根あたり)でマウスをつかむように持ち、指を立ててアーチ状にするスタイルです。
マウスを持ち上げるときも、手のひらの下部でしっかりホールドできるので、問題なく操作可能です。


かぶせ持ちは、手のひら全体をマウスに密着させ、包み込むように握るスタイルです。一番しっくりくる持ち方で、自然と手に馴染みます。


かぶせ持ちだと、サムレストに親指をのせることができるので、疲労感を感じにくいです。
Razer Basilisk V3 Pro 35Kのセンサーをチェック
Razer Basilisk V3 Pro 35Kには、第 2 世代 Focus Pro 35K オプティカルセンサーが搭載されています。ポーリングレートは最大8000Hz、感度 (DPI)は最大35,000と、ゲーミングマウスとしてはかなりのハイスペックです。
ここではMouseTesterを使用して、センサーの性能を確認します。なお、ポーリングレートは1000Hzに設定して計測します。また、マウスパッドはノーブランド品の安価なものを使用しています。


このテストでは、青い線が滑らかかつ、青い点が線の上に並ぶほど、精度が良いことを表しています。若干乱れもありますが、基本的にどのdpiも安定しています。


続いて、リフトオブディスタンスを見ていきます。テストでは0.1mm厚のプラ版を重ねて、マウスの反応が途絶した高さで、リフトオブディスタンスを計測していきます。
結果は以下の通りです。
トラッキングディスタンス | リフトオフディスタンス |
---|---|
低 | 0.6mm |
中 | 0.8mm |
高 | 1.7mm |
トラッキングディスタンスの強度を上げるほど、リフトオブディスタンスが高くなります。一般的にリフトオブディスタンスは2mm以下に収まっていれば、問題ないと言われているので、この数値は優秀です。
Razer Synapse
統合ソフトウェア「Razer Synapse」で様々な設定が可能になります。
カスタマイズ
カスタマイズで設定できるのは、以下の項目です。
- ボタンのカスタマイズ
- スクロールホイール
- HYPER SPEED マルチデバイス
キーの割り当て


全13個のボタンのカスタマイズが可能です。また、ボタンに第2の機能を割り当てるHypershiftの設定も可能です。
スクロールホイール


スクロールのモードを設定できます。
HYPERSPEED マルチデバイスペアリング


対応するRazer製マウスとキーボードを1つのUSBドングルでペアリングできます。
パフォーマンス
パフォーマンスで設定できるのは、以下の項目です。
- 感度
- 感度マッチャー
- ポーリングレート
感度


DPIは100から35000まで設定できます。ちなみにDPIは1刻みで設定できます。また、5つまでプロファイルを作成できます。
感度マッチャー


使用しているマウスからDPI設定を引き継ぎ行う際の設定です。
ポーリングレート


ポーリングレートは125、500、1000から設定できます。
ライティング
ライティングで設定できるのは、以下の項目です。
- 輝度
- ライティングをオフにする
- 効果
- スマートディミング
輝度


ライティングの輝度を0~100まで設定できます。
ライティングをオフにする


ライティングがオフになるタイミングを設定できます。
効果


ライティングの設定ができます。
スマートディミング


ワイヤレスモードで自動的にライティングの輝度を落とす設定です。
キャリブレーション
キャリブレーションで設定できるのは、以下の項目です。
- スマートトラッキング
スマートトラッキング


リフトオブディスタンスの設定ができます。非対称カットオフの有効化を有効にしたら、さらに細かい設定が可能です。
電源
キャリブレーションで設定できるのは、以下の項目です。
- ワイヤレスパワーセービング
- 低電力モード
ワイヤレスパワーセービング


スリープモードに入るまでの時間を設定できます。
低電力モード


低電力モードに切り替わるタイミングを設定できます。
メリット・デメリットまとめ


- エルゴノミクス形状なので持ちやすい
- サムレストで親指を置くことができる
- Razer Synapseで様々な設定が可能
- マルチファンクショントリガーでFPSのスナイプがやりやすい
- 2.4GHz/Bluetooth/有線接続に対応
- スクロールホイールのモードを切り替えできる
- 全13個のボタンのカスタマイズが可能
- かぶせ持ちがやりやすい
- 保証期間が2年
- オンボードでプロファイルが保存可能
- RGBライティングに対応
- リフトオブディスタンスが2mm以下
- 重量は113gあるので軽量ではない
- つかみ持ちはやりにくい
- ポーリングレート8000Hzは別売のデバイスが必要
総評
Razer Basilisk V3 Pro 35Kは、新型の「Focus Pro 35K」センサーを搭載し、35,000 DPIという圧倒的な精度を実現した、まさにゲーミングマウスのフラッグシップモデルです。
前モデルから大幅に進化した高精度なセンサー、13個のプログラム可能なボタンによる高いカスタマイズ性など、多くの魅力が詰まっています。
エルゴノミクス設計のサムレスト付きデザインと適度な重量感は、長時間の精密なゲームプレイでも疲れにくく、優れた操作性と安定性を提供します。
プロゲーマーのような精密な操作性と、ワイヤレスの利便性、そして自分好みに細かく設定を追い込みたいゲーマーにおすすめのワイヤレスゲーミングマウスと言えます。