RX 7600は、2023年5月26日に発売されたRX 7000シリーズのエントリーモデルに位置づけられるGPUです。
RDNA3アーキテクチャに刷新されたことで、先代モデルのRX 6600よりも性能が向上しました。
本記事では、RX 7600の基本性能や特徴を詳しく解説し、実際のゲームでのパフォーマンスを検証します。最後にRX 7600搭載のおすすめゲーミングPCを紹介します。
RX 7600の仕様
| RX 7600 | RX 6600 | |
| アーキテクチャー | RDNA 3 | RDNA 2 |
| CU | 32基 | 28基 |
| SP | 2048基 | 1792基 |
| Ray Accelerator | 32基 | 28基 |
| AI Accelerator | 64基 | – |
| ROP | 64基 | 64基 |
| テクスチャーユニット | 128基 | 112基 |
| ベース/ブーストクロック | 2250MHz / 2625MHz | 2044MHz / 2491MHz |
| VRAM | GDDR6 8GB | GDDR6 8GB |
| メモリーデータレート | 18Gbps | 14Gbps |
| メモリーバス幅 | 128bit | 128bit |
| メモリー帯域幅 | 288GB/s | 224GB/s |
| Infinity Cache | 32MB | 32MB |
| PCI-Express | Gen4×8 | Gen4×8 |
| 補助電源コネクター | 8ピン×1 | 8ピン×1 |
| グラフィックスカード電力 | 165W | 132W |
先代モデルのRX 6600とスペックを比較すると、特に差があるのが、SP(Stream Processor)の数と、メモリー帯域幅です。
SP(Stream Processor)の数を比較すると、約13%、メモリー帯域幅で比較すると、約25%の差が開いています。
より高負荷な状態だと、RX 6600よりRX 7600の方が性能を発揮しやすいです。
RX 7600のメリット
コスパが高い

RX 7600は、発売してから2年以上が経過しており、さらに旧世代のモデルということで、価格はかなり下がっています。最安のモデルであれば、3万円前半で購入可能です。
ライバルのRTX 5050やArc 580が3万円代後半なので、RX 7600は一際安いです。
RX 7600のデメリット
FSR4に非対応


AMDの最新アップスケーリングの「FSR 4」は機械学習(ML)ベースになっており、従来のFSR 3.1から大幅に画質が向上しています。
この技術は、RDNA 4アーキテクチャを採用したAMD Radeon RX 9000シリーズ専用となっています。残念ながらRX 7600は非対応です。
VRAM8GB

VRAM(ビデオメモリ)は、GPU専用のメモリで、特にゲームをプレイしているときに大量に使用されます。各GPUには決まったVRAM容量があり、その容量を超えると、ゲームの動作に支障をきたす恐れがあります。
例えば、フレームレートが大幅に低下したり、最悪の場合ゲームが起動しないこともあります。
RX 7600のVRAM容量は8GBですが、現代の基準では少ない部類に入ります。
特に高負荷のゲームでは、フルHD解像度でもVRAMが8GB以上必要になることが多いため、RX 7600でVRAM不足を感じた場合は、グラフィックス設定を下げてVRAM使用量を8GB以内に収める必要があります。
最高画質でプレイしたい方には、RX 7600のVRAMは少し物足りないかもしれません。
MFGに対応する機能がない

「MFG(Multi Frame Generation)」は、最大3つのフレームを追加することで、驚異的にフレームレートを向上させる最新のフレーム生成技術です。
この技術は、NVIDIAのRTX 50シリーズ専用の機能であり、RADEONシリーズでは利用できません。
現在のところ、RADEONにはMFGに類似する技術は搭載されていないため、フレームレートにおいては、MFGを活用したNVIDIAのグラフィックカードが大きく優位に立つことが多いです。
レイトレーシング性能が低い
レイトレーシングとは、現実世界に近いリアルな映像を描写するためのレンダリング技術の一つです。
このレイトレーシングはRADEONが苦手な分野でした。ただ、最新のRDNA 4アーキテクチャーを採用したAMD Radeon RX 9000シリーズではレイトレーシング性能がかなり強化されています。
ただ、残念ながらRX 7600を含む旧世代のモデルは、レイトレーシング性能はかなり低いです。
レイトレーシングを有効にした場合、フレームレートが落ち込むので、オフが推奨です。
検証環境
検証するゲームタイトルについて
ここからはゲームベンチマークでRX 7600のゲーム性能を検証します。
検証したゲームタイトルは下記の8タイトルです。
- Assassin’s Creed Shadows
- Ghost of Tsushima
- Monster Hunter Wilds
- Cyberpunk 2077
- Marvel Rivals
- FFXIV: 黄金のレガシー
- Stellar Blade
- F1 25
ゲームのグラフィックはそのゲーム内の最高設定にしています。また、フレーム生成は有効にし、MFG対応ゲームにおいてはMFG×4に設定しています。
比較対象のグラボ
RX 7600の比較対象として下記のグラボを用意しました。
- RTX 4060(VRAM8GB)
- RTX 5060(VRAM8GB)
- RTX 5050(VRAM8GB)
- RTX 3050(VRAM6GB)
- Arc B580(VRAM12GB)
RX 7600と同じ価格帯のローエンド帯のGPUです。この中では、Arc B580のみVRAM12GBを搭載し、RTX 3050はVRAM6GB版を使用しています。残りのGPUは全てVRAM8GBを搭載しています。

3Dグラフィックス性能測定のためのベンチマークソフトで、今回検証に使用したGPUのスコアを比較しました。
ラスタライズ性能をテストするSteel Nomad、レイトレーシング性能をテストするSpeed Wayの2種類のテストを使用しました。
RX 7600のスコアはRTX 4060、RTX 5050と非常に似通っていることが分かります。ただし、レイトレーシング性能が重視される、Speed Wayでは、大きさ差をつけられて下回っています。
検証機のスペック

| パーツ | 製品名 |
|---|---|
| マザーボード | ASUS ROG STRIX B650-A GAMING WIFI |
| CPU | Ryzen 7 7800X3D |
| ビデオカード | 玄人志向 RD-RX7600-E8GB |
| CPUクーラー | PCCOOLER GAME ICE K4 |
| メモリ | Kingston FURY Renegade DDR5 RGB メモ (16GB×2、DDR5-4800) |
| システム用SSD | WD_BLACK SN770 NVMe |
| アプリケーション用SSD | Kingston NV3 |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX |
| OS | Windows 11 HOME(24H2) |
| 電源プラン | バランス |
CPUにはRyzen 7 7800X3Dを使用しています。3DVキャッシュを搭載しており、ゲーム性能が非常に高いCPUです。RX 7600の性能を最大限引き出すことができます。


「玄人志向 RD-RX7600-E8GB」です。カード長は200mmと短いデュアルファン仕様のコンパクトなモデルです。現在は「玄人志向 RD-RX7600-E8GB/V2」という後継モデルが販売しており、さらに安くなっています。
RX 7600のゲーム性能
Assassin’s Creed Shadows

・画質:最高
・レイトレーシング:全体的に拡散+反射
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:有効

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで32fps、WQHDで27fpsでした。
VRAM消費が8GBを超え、さらにレイトレーシングが有効になっているので、RX 7600のフレームレートは全く伸びません。
Ghost of Tsushima

・画質:非常に高い
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間フィールドを馬で駆け抜けてるときに計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで140fps、WQHDで113fpsでした。
RADEON有利なゲームなので、RX 7600のフレームレートは大きく伸びています。
Monster Hunter Wilds

・画質:ウルトラ
・レイトレーシング:高
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークソフトで計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで63fps、WQHDで50fpsでした。
ウルトラ設定では、VRAM消費が8GBを超えるため、VRAM8GBのGPUのフレームレートは大きく伸び悩んでいます。
ただ、RX 7600の場合、RADEON有利なゲームなこともあって、同じVRAM8GBにも関わらず、健闘しています。ただ、テクスチャを簡略化して表示しているようで、無理やりフレームレートを出している印象があります。
Cyberpunk 2077

・画質:オーバードライブ
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで36fps、WQHDで13fpsでした。
オーバードライブ設定にすると自動的にパストレーシングが有効になり、VRAM消費が8GBを超えます。そのため、RX 7600のフレームレートは伸び悩んでいます。もちろん、RX 7600以外のVRAM8GBのGPUも同様です。
Marvel Rivals

・画質:最高
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで80fps、WQHDで59fpsでした。
NVIDIAに最適化されているゲームなので、RTX 4060に対して大きなを差をつけられて下回っています。
FFXIV: 黄金のレガシー

・画質:最高
※ベンチマークソフトで計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで118fps、WQHDで71fpsでした。
NVIDIA有利なゲームですが、RTX 4060、RTX 5050と遜色ないフレームレートが出せており、十分健闘しています。
Stellar Blade

・画質:とても高い
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間走ってフレームレートを計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで130fps、WQHDで98fpsでした。
RTX 4060を下回っていますが、Arc B580を上回っており、十分すぎるフレームレートを出しています。
F1 25

・画質:超最大
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

RX 7600の平均フレームレートは、フルHDで3fps、WQHDで1fpsでした。
超最大設定にすると自動的にパストレーシングが有効になり、VRAM消費が8GBを超えます。そのため、RX 7600のフレームレートは伸び悩んでいます。
RX 7600の消費電力

ラトックシステムのワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」を使用し、GPU単体ではなく、システム全体の消費電力を測定します。
上記の表は、FFXIV: 黄金のレガシーベンチマーク(4K・最高設定)実行中の平均・最大消費電力をまとめたものです。
RX 7600の消費電力は、RTX 4060、RTX 5050を上回り、RTX 5060とほぼ同等となっています。
RX 7600のレビューまとめ

- コストパフォーマンスが高い
- フルHDゲーミングに最適
- ゲーム性能はRTX 3050を大きく上回る
- VRAM8GB
- 4Kゲームは厳しい
- FSR4に非対応
- ゲーム性能はRTX 4060、RTX 5050を下回る
- 消費電力は若干高め
- レイトレーシング性能が低い
RX 7600は安価にフルHDゲームをプレーしたい方におすすめのGPUです。
3万円前半という低価格でRTX 3050を大きく上回るゲーム性能を発揮し、総じてコストパフォーマンスが高いGPUとなっています。
ただ、ゲーム性能はRTX 4060、RTX 5050と比べると間違いなく劣っています。それを考えると、現状、価格面でしか価値を見出せないGPUとなっています。
また、VRAM8GBなのは明確なデメリットです。
VRAM消費が8GBを超えると、フレームレートが全く伸びなくなります。もしVRAM不足を感じた場合、グラフィックの設定を下げる必要があります。
また、レイトレーシング性能も低いので、オフが推奨です。
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RX 7600のおすすめゲーミングPC
【PCショップアーク】arkhive Gaming Custom GC-A5R76M AG-AR6A62MRV6-ZT3AMD

| 【PCショップアーク】arkhive Gaming Custom GC-A5R76M AG-AR6A62MRV6-ZT3AMDのスペック | |
|---|---|
| OS | Windows 11 home |
| CPU | RYZEN 5 7500F |
| GPU | RX 7600 |
| CPUクーラー | 空冷 |
| メモリ | 16GB(8GB×2) |
| ストレージ | 1TB(M.2 SSD) |
| マザーボード | ASRock A620AM-HVS |
| 電源 | 550W 80 PLUS BRONZE |
| 無線LAN | 無し |
| 保証期間 | 1年 |
| 価格 | 130,800円 |
まとめ
RX 7600は発売からかなりの日数が経過しており、値下がりが進み、結果として、コストパフォーマンスが高いGPUになりました。
予算が限られており、とにかく安いゲーミングPCを探しているのであれば、RX 7600搭載モデルはおすすめできます。
よくある質問まとめ
- RTX 5050搭載モデルは初心者におすすめですか?
-
最安モデル10万円代前半で購入できます。
- VRAM8GBが不安ですが大丈夫でしょうか。
-
Apex Legends、Fortniteのような基本無料のゲームはVRAM消費が8GB未満に抑えられています。そういったゲームを中心にプレーするのであれば問題ありません。また、万が一VRAM不足に陥った場合は、グラフィックの設定を下げれば問題ないです。もしVRAM8GBで不安であれば、VRAM16GB搭載で安いRX 9060 XT搭載モデルがおすすめです。
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-
RX 7600はローエンドGPUですが、ゲーム性能はまあまあ高いです。Ryzen 5 4500のような最低レベルのゲーム性能を持つCPUでは間違いなく、性能を発揮できません。最低でもRyzen 7 5700Xあたりをおすすめします。

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