Ryzen 7 5700Xは、2022年4月に発売されたAMDのデスクトップ向けCPUです。
上位モデルのRyzen 7 5800Xと同じ8コア16スレッドを搭載しながら、発熱の少ない65Wという低TDP設計と、コストパフォーマンスが良好ということで、未だに人気の高いCPUでロングセラーとなっています。
今回の記事では他のCPUと比較して、Ryzen 7 5700Xの基本ベンチマーク、ゲームでのフレームレート、クリエイティブ作業での実力を徹底検証します。
Ryzen 7 5700Xの仕様

| Ryzen 7 5700X | Ryzen 7 5800X | |
| アーキテクチャー | Zen 3アーキテクチャ | Zen 3アーキテクチャ |
| プラットフォーム | Socket AM4 | Socket AM4 |
| コア数 | 8 | 8 |
| スレッド数 | 16 | 16 |
| ベースクロック | 3.4GHz | 3.8GHz |
| ブーストクロック | 4.6GHz | 4.7GHz |
| L2キャッシュ | 4MB | 4MB |
| L3キャッシュ | 32MB | 32MB |
| TDP | 65W | 105W |
| 対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
| グラフィックス機能 | なし | なし |
| 参考価格 ※2025年11月 | 22,800円 | 26,980円 |
Ryzen 7 5700Xのスペックは上位モデルのRyzen 7 5800Xと比べて、ベースクロックが3.8GHz→3.4GHzに、ブーストクロックが4.7GHz→4.6GHzと、動作クロックが引き下げられている以外は、ほぼ同一と言えます。
動作クロックが引き下げられているので、TDPも105W→65Wと低くなっており、より扱いやすさが向上しています。
それでいて、価格もRyzen 7 5800Xと比べて約4,000~5,000円ほど安くなっており、コストパフォーマンスも優れていま明日。
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検証環境
検証機のスペック

| パーツ | 製品名 |
|---|---|
| マザーボード | ASRock B550M Pro4 |
| ビデオカード | 玄人志向 RD-RX9070XT-E16GB/TP |
| CPUクーラー | リテールクーラー |
| メモリ | 16GB×2、DDR4-3200 |
| システム用SSD | WD_BLACK SN770 NVMe |
| アプリケーション用SSD | Kingston NV3 |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | JONSBO D32 PRO |
| OS | Windows 11 HOME(24H2) |
| 電源プラン | バランス |
検証環境は、一般的なBTOパソコンと同じような構成です。特に高価なパーツは使用していません。またCPUの設定はオーバークロックなどは一切せず、デフォルトの状態です。

ビデオカードは、RADEONのRX 9070 XTを使用。Ryzen 7 5700XがどれだけRX 9070 XTのゲーム性能を引き出せるのか検証します。
比較対象のCPU

Ryzen 7 5700Xの比較対象として下記のCPUを用意しました。Ryzen 7 5700Xと同じエントリー~ミドル帯のCPUです。
- Core i5-14400F
- Core i5-12400
- Ryzen 5 7500F
- Ryzen 5 4500
Ryzen 7 5700Xの基本ベンチマーク
CINEBENCH 2024
レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2024で、CPUの性能を計測します。
まず、マルチスコアです。
Ryzen 7 5700Xのマルチスコアは、8コア16スレッドということでなかなか高く、6コア12スレッドのCore i5-12400、Ryzen 5 4500を上回っています。
ただし、同じ6コア16スレッドのRyzen 5 7500Fに対しては、スコアで下回る結果となりました。
Ryzen 5 7500Fは、Ryzen 7 5700Xより世代が新しく、特にシングル性能が強化されているので、その点がスコアに表れています。
続いて、シングルスコアです。ゲームにおいてはシングル性能が重要なので、ゲーム目的であればこちらのスコアも要注目です。
Ryzen 7 5700XのシングルスコアはRyzen 5 4500のスコアを大きく上回っています。
ただ、Ryzen 5 7500Fだけでなく、インテルのCore i5-12400、Core i5-14400Fを若干下回る結果となっています。
3D Mark
GPU(グラフィックボード)の3D描画性能を計測する3D Markです。
DirectX 11に対応するテストのFire Strikeです。フルHD解像度でテストするので、負荷は軽めです。
Ryzen 7 5700XのスコアはRyzen 5 7500Fとほぼ同等で、Core i5-14400Fを上回っています。
続いて最新のDirectX 12 Future Level 12_0に対応するSteel Nomadです。今回は軽量版のSteel Nomad Lightを使用します。WQHD解像度でテストするので、負荷は重めです。
負荷は重いので、CPUによる差はほとんどないですが、このテストでも、Ryzen 7 5700XのスコアはRyzen 5 7500Fとほぼ同等です。
Ryzen 7 5700Xのゲームベンチマーク
Monster Hunter Wilds

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・レイトレーシング:高
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークソフトで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはCore i5-12400とほぼ同等で、Ryzen 5 7500Fを若干下回っています。
Cyberpunk 2077

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはCore i5-12400と比較して、若干上回っていますが、Ryzen 5 7500Fに対しては、大きく下回っています。
Marvel Rivals

・解像度:フルHD
・画質:最高※ルーメンオフ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fと比較して、若干下回っていますがほとんど差がないに等しいです。それに対して、Core i5-14400Fと比較して、大幅に下回っています。
このゲームはインテルCPUとの相性が良好なこともあり、Ryzen CPUだとフレームレートが伸びづらい傾向があります。
FFXIV: 黄金のレガシー

・解像度:フルHD
・画質:最高
※ベンチマークソフトで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fとほぼ同等ですが、Core i5-14400Fに対しては、大幅に上回っています。
このゲームはRyzen CPUとの相性が良好なこともあり、インテル CPUより良好なパフォーマンスを発揮しやすいです。
F1 25の平均fps

・解像度:フルHD
・画質:超最大※パストレーシング・レイトレーシングオフ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fと比較して、若干下回っていますが、Core i5-14400Fに対しては、大幅に上回っています。
このゲームはRyzen CPUとの相性が良好なこともあり、インテル CPUより良好なパフォーマンスを発揮しやすいです。
Deus Ex: Mankind Divided

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500FやCorei i5-14400Fと比較して、大幅に下回っています。
このゲームはインテルCPUとの相性が良好なこともあり、Ryzen CPUだとフレームレートが伸びづらい傾向があります。
Fotnite
・解像度:フルHD
・画質:最高※Naniteオフ
・アップスケーリング:XeSSクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fと比較して、若干下回り、Core i5-14400Fに対しては、若干上回っています。
Skull and Bones

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ※レイトレーシングオフ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fと比較して、若干下回っていますが、Core i5-14400Fに対しては、大幅に上回っています。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ+
・アップスケーリング:FSRクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 5700Xの平均fpsはRyzen 5 7500Fと比較して、大幅に下回っています。このゲームにおいては、Ryzen 5 7500Fの強さが特に際立っています。
全9ゲームの平均fps
Ryzen 7 5700Xのゲーム性能はRyzen 5 7500Fより下回りますが、Core i5-14400Fとほぼ互角で、Core i5-12400を確実に上回ります。
Ryzen 5 4500と比べた場合、大幅に上回っており、ゲーム性能においては大きな差があります。
Ryzen 7 5700Xのクリエイティブ系ベンチマーク
PC Mark 10
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。
なお今回は、設定をカスタマイズできる、PCMark 10 Extendedを実行します。GPUがスコアへ影響するのを防ぐために、「Use OpenCL」と「Use hardware-accelerated video processing」を無効化するためです。
Ryzen 7 5700Xのスコアは9675で、Ryzen 5 4500を上回っていますが、それ以外のCPUを下回っています。ただ、そこまで大きな差が開いていません。
Ryzen 7 5700Xのスコアは9675で、Ryzen 5 4500を上回っていますが、それ以外のCPUを下回っています。Essentialsと異なり、大きな差が開いています。
Ryzen 7 5700Xのスコアは8370で、Ryzen 5 7500Fを下回っていますが、Core i5-14400Fとほぼ互角です。
Blender benchmark
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はGPUではなく、CPUでレンダリングして性能を計測します。
Ryzen 7 5700Xのスコアは194で、ほぼRyzen 5 7500Fと互角です。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、x264コーデックでエンコードにかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の4K動画です。
Ryzen 7 5700Xのエンコードにかかった時間は18分48秒でした。Core i5-12400とほぼ同じ処理時間ですが、Ryzen 5 7500Fと比較して、2分以上も遅く処理を終えています。
Ryzen 7 5700Xの消費電力
CINEBENCH 2024を10分間連続で実行し、CPUの単体の消費電力を「HWiNFO」で計測しました。
Ryzen 7 5700Xの平均消費電力は77W、最大消費電力は78Wでした。
今回検証したCPUの中では最も消費電力が多い結果になりました。やはり8コアとコア数が多いので、その点が影響しているかと思われます。
とは言え、CPUへの負荷をMAXにして、最大で約70Wほどなので、消費電力は十分低いと言えます。
なお、Core i5-14400Fは10コアとRyzen 7 5700Xより多いですが、その内4コアは消費電力が低いEコアなので、消費電力は抑えられています。
Ryzen 7 5700Xのレビューまとめ

- ゲーミング性能はそこそこ優秀
- 8コア16スレッドとコア数、スレッド数が多い
- 消費電力は低い
- コストパフォーマンスが高い
- Ryzen 5 7500Fと比べると一段階性能が落ちる
Ryzen 7 5700Xは、エントリー~ミドル帯のCPUとしては8コア16スレッドという強力なマルチ性能をもっており、各種ベンチマークのスコアも悪くなく、総じてコストパフォーマンスが高いCPUです。
ゲーム性能ではCoer i5-14400Fとほぼ互角で、特に、Ryzen 5 4500と比べると、圧倒的な差をつけて上回ります。
ただし、最新世代のRyzen 5 7500Fと比べた場合、 全体的に性能は一段階落ちる印象です。
Ryzen 5 7500Fは6コア12スレッドと、コア数スレッド数はRyzen 7 5700Xより少ないですが、アーキテクチャーなどが刷新されており、特にシングル性能は飛躍的に向上しています。
とはいえ、Ryzen 5 7500Fは単体購入されておらず、搭載ゲーミングPCも高くなる傾向があります。
コストパフォーマンスという一点で考えると、Ryzen 7 5700Xは最もおすすめできるCPUと言えます。

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