Ryzen 7 9800X3Dは、2024年11月に発売されたAMDのデスクトップ向けCPUです。
ZEN5アーキテクチャーを採用した、Ryzen 9000シリーズのCPUです。
3D V-Cacheテクノロジーを採用し、96MBという大容量のL3キャッシュを搭載してるRyzen 7 7800X3Dの後継モデルです。
3D V-Cacheは第2世代に進化し、Ryzen 7 7800X3Dよりも強力なゲーム性能を発揮します。
今回の記事では他のCPUと比較して、Ryzen 7 9800X3Dの基本ベンチマーク、ゲームでのフレームレート、クリエイティブ作業での実力を徹底検証します。
Ryzen 7 9800X3Dの仕様

| Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 7 7800X3D | |
| アーキテクチャー | Zen 5アーキテクチャ | Zen 4アーキテクチャ |
| プラットフォーム | Socket AM5 | Socket AM5 |
| コア数 | 8 | 8 |
| スレッド数 | 16 | 16 |
| ベースクロック | 4.7GHz | 4.2GHz |
| ブーストクロック | 5.2GHz | 5GHz |
| L2キャッシュ | 8MB | 8MB |
| L3キャッシュ | 96MB | 96MB |
| TDP | 120W | 120W |
| 対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5200 |
| グラフィックス機能 | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
| 参考価格 ※2025年12月 | 67,970円 | 51,980円 |
Ryzen 7 9800X3DはZEN5アーキテクチャーを採用したRyzen 9000シリーズのCPUです。
最大の特徴が3D V-Cacheテクノロジーを採用していることです。
コアの上に96MBという大容量のL3キャッシュを搭載しているおかげで、他のCPUに比べて、ゲーム性能は飛躍的に向上しています。
Ryzen 7 7800X3Dと比較して、ZEN5アーキテクチャーへ進化し、CPU単体の性能はもちろん、第2世代の3D V-Cacheによって、ゲーム性能も向上しています。
CPU-Zで取得したRyzen 7 9800X3Dの情報を見る

検証環境
検証機のスペック

| パーツ | 製品名 |
|---|---|
| マザーボード | GIGABYTE B850 AORUS ELITE WIFI7 ICE |
| ビデオカード | 玄人志向 RD-RX9070XT-E16GB/TP |
| CPUクーラー | PCCOOLER GAME ICE K4 |
| メモリ | Kingston FURY Renegade DDR5 RGB メモ (16GB×2、DDR5-4800) |
| システム用SSD | WD_BLACK SN770 NVMe |
| アプリケーション用SSD | Kingston NV3 |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX |
| OS | Windows 11 HOME(24H2) |
| 電源プラン | バランス |
検証環境は、一般的なBTOパソコンと同じような構成です。特に高価なパーツは使用していません。またCPUの設定はオーバークロックなどは一切せず、デフォルトの状態です。

ビデオカードは、RADEONのRX 9070 XTを使用。Ryzen 7 9800X3DがどれだけRX 9070 XTのゲーム性能を引き出せるのか検証します。
比較対象のCPU

Ryzen 7 9800X3Dの比較対象として下記のCPUを用意しました。
- Core i7-14700F
- Core Ultra 7 265F
- Ryzen 7 7800X3D
- Ryzen 7 9700X
- Ryzen 7 7700
- Ryzen 7 5700X
Ryzen 7 9800X3Dの基本ベンチマーク
CINEBENCH 2024
レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2024で、CPUの性能を計測します。
まず、マルチスコアです。
Ryzen 7 9800X3Dのマルチスコアは、8コア16スレッドにも関わらず、20コア28スレッドのCore i7-14700Fを上回っています。
続いて、シングルスコアです。ゲームにおいてはシングル性能が重要なので、ゲーム目的であればこちらのスコアも要注目です。
Ryzen 7 9800X3DのシングルスコアはRyzen 7 9700Xとほぼ同等です。
3D Mark
GPU(グラフィックボード)の3D描画性能を計測する3D Markです。
DirectX 11に対応するテストのFire Strikeです。フルHD解像度でテストするので、負荷は軽めでCPU性能がスコアに影響します。
Ryzen 7 9800X3DのスコアはRyzen 7 9700X、Ryzen 7 7800X3Dを大きく上回っています。
Ryzen 7 9800X3Dのゲームベンチマーク
Assassin’s Creed Shadows

・解像度:フルHD
・画質:最高
・レイトレーシング:隠れ家のみ
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:有効
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 9700X、Ryzen 7 7700とほぼ同等です。
このゲームはGPU依存度が高く、また3DVキャッシュの効果が効きづらいため、CPUによる差はあまりありません。しいて言うなら、インテルCPUの方が若干有利な印象です。
Monster Hunter Wilds

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・レイトレーシング:高
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークソフトで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを上回っています。GPU依存度の高いゲームですが、3DVキャッシュの効果はしっかり効いています。
Cyberpunk 2077

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを大幅に上回っています。Core i7-14700Fと比較した場合、平均fpsで150くらいの差をつけて、Ryzen 7 9800X3Dが大きく上回ります。
Marvel Rivals

・解像度:フルHD
・画質:最高※ルーメンオフ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを大幅に上回ります。
Ryzen 7 9800X3DとRyzen 7 7800X3Dの間にはあまりゲーム性能に差はないと思われがちですが、このゲームに関しては、Ryzen 7 9800X3Dが圧勝しています。
FFXIV: 黄金のレガシー

・解像度:フルHD
・画質:最高
※ベンチマークソフトで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを上回ります。
Deus Ex: Mankind Divided

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを上回っています。
3DVキャッシュの効果は凄まじく、Ryzen 7 9800X3D、Ryzen 7 7800X3Dの2つCPUは突出して、平均fpsが高いです。
Fotnite

・解像度:フルHD
・画質:最高※Naniteオフ
・アップスケーリング:XeSSクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを若干上回っています。
Skull and Bones

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ※レイトレーシングオフ
・アップスケーリング:FSRクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dを若干上回っています。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ+
・アップスケーリング:FSRクオリティ
※ベンチマークモードで計測
Ryzen 7 9800X3Dの平均fpsはRyzen 7 7800X3Dとほぼ同等です。
このゲームに関しては、Ryzen 7 7800X3Dとの差はほとんどありません。
全9ゲームの平均fps
全9ゲームの平均fpsです。
Ryzen 7 9800X3Dのゲーム性能はRyzen 7 7800X3Dを上回り、まさにゲーム性能最強CPUの名に恥じないゲーム性能を発揮しています。
Ryzen 7 9800X3Dのクリエイティブ系ベンチマーク
PC Mark 10
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。
なお今回は、設定をカスタマイズできる、PCMark 10 Extendedを実行します。GPUがスコアへ影響するのを防ぐために、「Use OpenCL」と「Use hardware-accelerated video processing」を無効化するためです。
Ryzen 7 9800X3DのスコアはCore i7-14700Fとほぼ同等で、Ryzen 7 7800X3Dを大幅に上回ります。
Ryzen 7 9800X3DのスコアはRyzen 7 9700Xとほぼ同等で、Ryzen 7 7800X3Dを大幅に上回っています。
Ryzen 7 9800X3DのスコアはRyzen 7 9700とほぼ同等で、Ryzen 7 9800X3Dを大幅に上回ります。
Blender benchmark
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はGPUではなく、CPUでレンダリングして性能を計測します。
Ryzen 7 9800X3Dのスコアは、Ryzen 7 7800X3Dを大幅に上回ります。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、x264コーデックでエンコードにかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の4K動画です。
Ryzen 7 9800X3Dのエンコードにかかった時間は12分2秒でした。Ryzen 7 7800X3Dと比較して、約1分40秒早く処理を終えています。
Ryzen 7 9800X3Dの消費電力
CINEBENCH 2024を10分間連続で実行し、CPUの単体の消費電力を「HWiNFO」で計測しました。
Ryzen 7 9800X3Dの平均消費電力は127W、最大消費電力は131Wでした。平均消費電力で比較すると、今回検証したCPUの中では最も消費電力が高かったです。
Ryzen 7 9800X3Dのレビューまとめ

- 最強のゲーム性能
- コストパフォーマンスが高い
- クリエイティブ性能が高い
- CPU性能が純粋に高い
- コストパフォーマンスが高い
- 消費電力が高い
Ryzen 7 9800X3Dは第二世代の3DVキャッシュを搭載しているおかげで、Ryzen 7 7800X3Dを上回るゲーム性能を発揮します。
ゲームによっては他のCPUと比較して平均fpsで100以上の差をつけて上回り、まさにゲーム性能最強のCPUとして不動の地位を築いています。
平均fpsがこれだけ高いと、当然1%Lowを高くなるので、競技性の高いFPSなどのゲームとの相性は良好です。
さらにZEN5アーキテクチャーによって、CPU性能も高められており、クリエイティブ性能も十分高いのも魅力的です。
それでいてCPU単体の価格も抑えられており、コストパフォーマンスが高く、まさに完全無敵なCPUと言えます。
消費電力が高く、発熱しやすいですが、それくらいしか弱点はありません。
ゲーム性能を追い求めているのなら、Ryzen 7 9800X3D一択と言えます。
Ryzen 7 9800X3D搭載おすすめゲーミングPC
【FRONTIER】FRMFGB650W/WS12100

| OS | Windows 11 Home |
|---|---|
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
| メモリ | 32GB(16GB×2) |
| GPU | RX 9070 XT |
| ストレージ | 1TB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 339,800円 |
製品仕様を見る
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
|---|---|
| GPU | RX 9070 XT |
| CPUクーラー | 水冷CPUクーラー MAG CORELIQUID I240 |
| メモリ | 32GB DDR5-5600 |
| ストレージ | 1TB SPATIUM M470 Pro(Gen 4 NVMe) |
| マザーボード | B650チップセット MSI B650 GAMING PLUS WIFI |
| M.2 スロット数 | 2個(空き1) |
| 幅×高さ×奥行 | 約231mm×497mm×約474mm |
| 電源 | 750W 80PLUS GOLD |
| ネットワーク | 有線:2.5Gbps 無線:Wi-Fi 6E |
| 納期 | 6日 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 339,800円 |

| メリット | デメリット |
|---|---|
| ガラスケースを採用 M.2 SSDの増設が可能 240mm簡易水冷CPUクーラーを搭載 メモリ32GB搭載 2.5GLAN搭載 Wi-Fi 6E搭載 | 特になし |
Ryzen 7 9800X3DとRX 9070 XTの組み合わせのゲーミングPCです。Ryzen 7 9800X3Dは、RX 9070 XTの性能を最大限引き出せるCPUの一つです。メモリ32GBと大容量。ストレージは1TBと必要最低限。マザーボードはMSI B650 GAMING PLUS WIFIを採用。2基のM.2スロットがあるので拡張性は優秀です。WiFi 6E、2.5GLAN搭載とネットワーク周りも充実。PCケースはMSI MPG VELOX 100Rを採用。フロント、左サイドは強化ガラスとなっており、パソコン内部のパーツとライティングを楽しめます。4基のARGBケースファンによってエアフローも良好です。
\ MSIコラボモデル!/
【FRONTIER】FRGHLMB650/WS12100

| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
|---|---|
| メモリ | 32GB |
| GPU | RX 9070 XT |
| ストレージ | 2TB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 344,800円 |
詳細を見る
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
|---|---|
| GPU | RX 9070 XT |
| CPUクーラー | 空冷CPUクーラー CPS RT400-BK |
| メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 |
| ストレージ | 2TB Gen 4 NVMe |
| マザーボード | B650チップセット MSI B650 GAMING PLUS WIFI |
| M.2 スロット数 | 2個(空き1) |
| 幅×高さ×奥行 | 約230mm×500mm×約453mm |
| 電源 | 750W 80PLUS PLATINUM |
| ネットワーク | 有線:2.5Gbps 無線:Wi-Fi 6E |
| 納期 | 6日 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 344,800円 |

| メリット | デメリット |
|---|---|
| ガラスケースを採用 M.2 SSDの増設が可能 ストレージ2TB メモリ32GB搭載 2.5GLAN搭載 WiFi 6E、Bluetooth対応 ゲーム性能最強のRyzen 7 9800X3D搭載 | 特になし |
Ryzen 7 9800X3DとRX 9070 XTの組み合わせのゲーミングPCです。ストレージは2TB、メモリは32GBと大容量です。マザーボードのB650チップセット搭載の「MSI B650 GAMING PLUSWIFI」を搭載。2基のM.2スロットがあるので拡張性は優秀です。WiFi 6E、2.5GLAN搭載とネットワーク周りは充実しています。PCケースの左サイドは強化ガラスとなっており、パソコン内部のパーツとライティングを楽しめます。4基の光るケースファンによってエアフローも良好です。
【FRONTIER】FRGHLMB650/WS12150

| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
|---|---|
| メモリ | 32GB |
| GPU | RTX 5070 TI |
| ストレージ | 1TB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 364,800円 |
詳細を見る
| CPU | Ryzen 7 9800X3D |
|---|---|
| GPU | RTX 5070 Ti |
| CPUクーラー | 空冷CPUクーラー CPS RT400-BK |
| メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 |
| ストレージ | 1TB Gen 4 NVMe |
| マザーボード | B650チップセット MSI B650 GAMING PLUS WIFI |
| M.2 スロット数 | 2個(空き1) |
| 幅×高さ×奥行 | 約230mm×500mm×約453mm |
| 電源 | 750W 80PLUS PLATINUM |
| ネットワーク | 有線:2.5Gbps 無線:Wi-Fi 6E |
| 納期 | 6日 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 364,800円 |

| メリット | デメリット |
|---|---|
| ガラスケースを採用 M.2 SSDの増設が可能 メモリ32GB搭載 2.5GLAN搭載 WiFi 6E、Bluetooth対応 ゲーム性能最強のRyzen 7 9800X3D搭載 | 特になし |
Ryzen 7 9800X3DとRTX 5070 Tiの組み合わせのゲーミングPCです。ストレージは1TBと標準的です。メモリは32GBと大容量です。マザーボードのB650チップセット搭載の「MSI B650 GAMING PLUSWIFI」を搭載。2基のM.2スロットがあるので拡張性は優秀です。WiFi 6E、2.5GLAN搭載とネットワーク周りは充実しています。PCケースの左サイドは強化ガラスとなっており、パソコン内部のパーツとライティングを楽しめます。4基の光るケースファンによってエアフローも良好です。

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