「Legion Slim 5i Gen 8」は、ゲームやクリエイティブ作業を高いパフォーマンスでこなせるゲーミングノートPCです。
その最大の特徴は、スリムで軽量なデザインながらも、ゲーミングや高負荷作業に耐える強力な性能を発揮する点。
さらに、冷却システム「Legion ColdFront 5.0」や高精細WQXGAディスプレイなど、視覚的にも優れた体験を提供します。
本記事では、RTX 4050×Core i5-13500Hを搭載したLegion Slim 5i Gen 8の全体的な特徴から性能、ディスプレイ、冷却性能、ゲーム性能、クリエイティブ性能まで、さまざまな視点でその魅力を詳しく解説します。
【機材提供:レノボ・ジャパン合同会社】
Legion Slim 5i Gen 8のスペック
| モデル | 82YA0006JP |
|---|---|
| CPU | Core i5-13500H |
| グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop |
| メモリ | DDR5-5200MHz 16GB (8GB×2) |
| ストレージ | 512GB M.2 SSD (PCIe Gen 4×4 NVMe) |
| ディスプレイ | 16.0型 WQXGA IPS液晶 (2560×1600ドット、約1,677万色、16:10、165Hz、DisplayHDR 400、3ms(GTG)、Dolby Vision対応、NVIDIA G-SYNC対応) 、光沢なし |
| キーボード | 84キー(Fnキー+Windowsキーを含む)、JIS配列、テンキー |
| Webカメラ | FHD 1080p カメラ |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠)+ Bluetooth v5.1 |
| インターフェース | USB3.2 Gen2(Powered USB)、USB3.2 Gen2、イーサネット・コネクター(RJ-45)、HDMI、電源コネクタ、4-in-1メディアカードリーダー、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-C(Powerdelivery対応)、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック |
| OS | Windows 11 Home |
| バッテリー/ACアダプタ | 固定式 4セル リチウムイオンポリマーバッテリー 80Whr |
| 使用時間 | 約8時間 |
| 外形寸法/重量 | 約 359.7×260.3×19.9~21.9mm/約2.4kg |
| 標準保証 | 1年 |
Legion Slimシリーズ最大の魅力は、ハイパワーでありながら薄型スリムデザインを両立している点です。
「Legion Slim 5i Gen 8」もそのコンセプトをもちろん踏襲しており、ゲーミングPC特有の派手さを抑えた洗練されたデザインは、書斎やリビングなど、どんな空間にも自然に溶け込みます。
しかし、その落ち着いた外見とは裏腹に、心臓部には「第13世代 インテル Core プロセッサー」と「NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ」という、高性能なCPUとGPUを搭載。
「Legion Slim 5i Gen 8」にはさまざまなモデルがありますが、今回レビューするのは、CPUにCore i5-13500H、GPUにNVIDIA GeForce RTX 4050 Laptopを搭載した「82YA0006JP」というモデルのものです。

今回レビューした、Legion Slim 5i Gen 8は旧モデルということで現在は販売されていません。現在は、後継モデルの「LOQ 15IRX10」が販売中です。RTX 5050を搭載し、価格も10万円代前半に抑えられており、非常に買いやすいモデルとなっています。
外観をチェック

ストームグレーのボディカラーは落ち着いた印象を与えてくれます。天板の端には鏡面加工のLEGIONのロゴが装飾されています。

質感は高く、高級感を漂わせています。ゲーミングノートPCらしくなく、どこに置いても違和感はありません。

製品名のSlimという名前の通り、ゲーミングノートPCとしてはかなり薄い、スリム設計となっています。

本体底面です。後部側には巨大な通気口が設けられています。

通気口からは、CPUとGPUを冷却するためのファンを確認できます。
AIによる緻密な電力制御を組み合わせる、独自の強力な冷却システムの「Lenovo Legion ColdFront 5.0」を搭載。熱暴走(サーマルスロットリング)を徹底的に抑制しながらも騒音を抑えるという相乗効果を実現しています。


側面、背面にも通気口が設けられ、フィンを確認できます。

前方には左右にスピーカーが設けられています。2x2Wステレオスピーカーを搭載しています。

天板は180°まで開くことができるので、複数人でディスプレイ覗き込むことが可能となっています。

重量は実測で2,204gでした。

ACアダプターは小さな弁当箱並みのサイズ感といった感じです。電源容量は170Wでした。

バッテリーの重量は実測で約536gでした。
インターフェースをチェック

背面のインターフェースは下記の通りです。
- USB3.2 Gen2(Powered USB)
- USB3.2 Gen2
- イーサネット・コネクター(RJ-45)
- HDMI
- 電源コネクタ

左側面のインターフェースは下記の通りです。
- USB3.2 Gen2 Type-C
- USB3.2 Gen2 Type-C(Powerdelivery対応)
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック

2つあるType-Cポートは両方とも映像出力に対応しているので、モバイルモニターと接続すれば、簡単にマルチディスプレイ環境を構築できます。


右側面のインターフェースは下記の通りです。
- 4-in-1メディアカードリーダー
- プライバシーシャッター(電子式)



USBポートがType-A×2、Type-C×2の計4ポート用意されているので、拡張性はまずまずといったところです。
キーボードをチェック


キーボードには、日本語配列の84キーボードを採用。右端にはテンキーを配置しています。一つ一つのキートップに隙間が空いているアイソレーション設計となっており、キーピッチは約19mm確保されています。
ただし、テンキーのキーピッチは狭くなっており、若干違和感を感じます。


白色バックライトを搭載。「Fn」+「スペース」キーで明るさの調整が可能です。


テンキーを配置しているせいなのか、¥マークなど一部のキーは小さくなっています。


タッチパッドのサイズは大きく、操作性は良好です。
ディスプレイをチェック


ディスプレイには、165Hz駆動の16型WQXGA(2560×1600ドット) IPS液晶を採用。縦横比16:10なので、一般的なディスプレイに採用されている16:9より若干縦方向に表示領域が広くなっています。


ノングレア液晶なので映り込みは控えめです。


キャリブレーションツールの「Datacolor SpyderX Elite」で色域を確認したところ、sRGBは97%、AdobeRGBは72%、P3は75%でした。
色の再現性を重視するクリエイティブ作業には不向きですが、ゲームであれば全く問題ない数値です。


明るさ100%時の輝度は314.7と明るさは十分です。コントラスト比は1040:1とまずまずの数値です。


IPS液晶なので、視野角は優秀です。上下左右どの角度からのぞいても問題ありません。


ディスプレイ上部には1080pのwebカメラが搭載されています。物理的なシャッターはないですが、側面の電子式のプライバシーシャッターを使えば、瞬時のwebカメラのオンオフが可能です。
搭載パーツをチェック


CPUはインテル Raptor LakeシリーズのCore i5-13500Hを搭載。12コア(4P+8E) / 16スレッドで、Alder Lake世代のCore i5-12500Hの後継モデルに位置付けられます。


GPUはNVIDIA RTX 40シリーズのRTX 4050を搭載。ラップトップ版RTX 40シリーズの中でも、ローエンド帯に位置付けられ、事実上、RTX 3050 Tiの後継に位置づけられます。




メモリはサムソン製のものを採用。メモリの容量は8GB×2の16GB構成です。標準設定ではDDR5-5200で動作します。


ストレージはSKHynix製の512GBのPCIe Gen4接続のM.2 NVMe SSDを搭載。
パフォーマンスをチェック
検証について


サーマルモードには、パフォーマンス、バランス、静音の3種類がありますが、今回は性能を最大限に発揮したいので、パフォーマンスに設定しています。


パフォーマンスに設定した場合、CPUのPL1は100W、PL2は135Wに設定されます。


また、GPUは最大で105Wまで動作します。
CPU
レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2024で、CPUの性能を計測します。
Core i5-13500Hは、12コア(4P+8E) / 16スレッドということで、マルチスコアの伸びは優秀です。Ryzen 7 5700X、Core i5-14400Fのスコアを上回っています。
シングルスコアも優秀です。スコアはデスクトップ版のRyzen 7 5700Xを上回り、Core i5-14400Fと同等です。
グラフィックス
GPU(グラフィックボード)の3D描画性能を計測する3D Markです。
DirectX 11に対応するテストのFire Strikeです。フルHD解像度でテストするので、負荷は軽めです。
RTX 3050 Tiに対して、約35%上回っており、前世代に比べて大幅にスコアは伸びています。
レイトレーシング性能を計測するPort Royalです。レイトレレーシングを有効にしてテストするので、負荷は非常に重いです。
前世代のRTX 3050 Tiは、VRAM不足で低スコアですが、VRAM6GBあるRTX 4050は4000以上のスコアが出ています。
RTX 3050 Tiに対して、約150%上回っており、前世代に比べて大幅にスコアは伸びています。
ストレージ


Crystal Disk Markでストレージの転送側を計測しました。
シーケンシャル読込は約7,100MB/s、書込は約1,500MB/sです。書込み速度は遅いですが、十分すぎるほどの転送速度を発揮しています。
ゲーム性能をチェック
Assassin’s Creed Shadows


・解像度:フルHD
・画質:最高、中
・レイトレーシング:全体的に拡散+反射
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:有効
最高設定だと、VRAM不足に陥るので、平均フレームレートは40代まで落ち込みます。一方、中設定であれば、平均フレームレートは77に達するので快適に遊べます。
Ghost of Tsushima


・解像度:フルHD
・画質:非常に高い
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間フィールドを馬で駆け抜けてるときに計測
平均フレームレートは、非常に高い設定で97fpsに達しており、快適に遊べます。
Monster Hunter Wilds


・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ、中
・レイトレーシング:高
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークソフトで計測
ウルトラ設定だと、VRAM不足に陥るので、平均フレームレートは30代まで落ち込みます。一方、中設定であれば、平均フレームレートは99に達するので快適に遊べます。
Cyberpunk 2077


・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
平均フレームレートは、ウルトラ設定で110fpsに達しており、快適に遊べます。
Marvel Rivals


・解像度:フルHD
・画質:最高
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
平均フレームレートは、ウルトラ設定で75fpsに達しており、快適に遊べます。ただ、ベンチマーク結果を見ると、VRAM消費が6GBを超えているので、グラフィックの設定を下げると、より多くのフレームレートが出せます。
FFXIV: 黄金のレガシー


・解像度:フルHD
・画質:最高
※ベンチマークソフトで計測
平均フレームレートは、最高設定で128fpsに達しており、快適に遊べます。
Stellar Bladeの平均fps


・解像度:フルHD
・画質:とても高い
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間走ってフレームレートを計測
平均フレームレートは、とても高い設定で132fpsに達しており、快適に遊べます。
F1 25の平均fps


・解像度:フルHD
・画質:超最大、中
・アップスケーリング:DLSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
超最大設定だと、VRAM不足に陥るので、平均フレームレートは40代まで落ち込みます。一方、中設定であれば、平均フレームレートは153に達するので快適に遊べます。
クリエイティブ性能をチェック
PC Mark 10
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。
Legion Slim 5i Gen 8のスコアは9,857です。推奨スコアの4,100を大幅に超えています。格上のLOQ-16IRH8と比べてもスコアは遜色ありません。
Legion Slim 5i Gen 8のスコアは9,814です。推奨スコアの4,500を大幅に超えています。LOQ-16IRH8と比較すると、若干差が開いていますが、こちらもスコアにほとんど差はありません。
Legion Slim 5i Gen 8のスコアは10,944です。推奨スコアの3,450を大幅に超えています。GPU性能が効いてくるテストなので、他の2つのテストと異なり、LOQ-16IRH8との差は開いています。
Legion Slim 5i Gen 8のスコアは7,457です。LOQ-16IRH8とほぼ同等のスコアです。IdeaPad Gaming 3と比較した場合、スコアで1000以上の差をつけて上回っています。
Blender benchmark
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はCPUではなく、GPUでレンダリングして性能を計測します。
Legion Slim 5i Gen 8のスコアは2,645です。GPUでレンダリングしていることもあり、LOQ-16IRH8との差は開いています。IdeaPad Gaming 3と比較した場合、スコアで1000以上の差をつけて上回っています。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、NVEncコーデックでエンコードにかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の動画です。
Legion Slim 5i Gen 8のエンコードにかかった時間は70秒で、LOQ-16IRH8とほぼ同等の時間です。一方、IdeaPad Gaming 3と比較した場合、約10秒ほど速く、処理を終えています。
冷却性能と静音性をチェック
CPU温度


「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」を使用して、CPUの冷却性能をチェックします。
テスト開始直後、PL2動作(135W)になるので、CPU温度は一瞬100℃に達しますが、すぐにPL1動作(80W)に切り替わり、テストを終わるまで80℃~90℃を推移しています。
サーマルスロットリングの兆候は一切なく、CPUは十分冷やし切れています。
GPU温度


「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用して、GPUの冷却性能をチェックします。
テスト開始直後は温度はなだらかに上昇していき、最終的に80℃前後を維持しています。
こちらもサーマルスロットリングの兆候は一切なく、GPUは十分冷やし切れています。
キーボードの表面温度


FF14ベンチマーク実行時のキーボードの表面温度をサーマルカメラで測定しました。一番温度の高い中央部でも30℃代後半までしか上がらず、ゲームで多用するWASDキーに至っては20℃代で収まっています。
静音性
デジタル騒音計の「FiedNew FN029A」を使用して、Legion Slim 5i Gen 8の騒音を計測しました。
アイドル時は37dBA、CINEBENCH 2024実行時は60dBA、FF14実行時は50dBAでした。
アイドル時はほぼ無音で全く気になりません。
ただ、FF14実行時は流石にファンの音が聞こえますが、ヘッドフォンを使えば、それほど気にならないレベルです。ただし、CINEBENCH 2024実行時はファンがフル回転するため、さすがに騒音は気になります。
参考までに騒音レベルの目安を下記に記します。
| 騒音レベル | 目安 |
|---|---|
| 100dBA | 電車が通るときのガードの下 |
| 90dBA | 騒々しい工場の中 |
| 80dBA | 地下鉄の車内 |
| 70dBA | 騒々しい事務所の中 |
| 60dBA | 静かな乗用車 |
| 50dBA | 静かな事務所の中 |
| 40dBA | 図書館の中 |
| 30dBA | ささやき声 |
消費電力をチェック
システム全体の平均消費電力をワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」で計測しました。
システム全体の平均消費電力は、アイドル時は28W、CINEBENCH 2024実行時は135W、FF14ベンチマーク実行時は149Wでした。
ACアダプタの電源容量は170Wなので、問題ありません。
ただ、最大のパフォーマンスを発揮させるためには、ACアダプタの使用が必須です。USB PD充電器を使用した場合、電源容量が足らない可能性があるのでその点は注意が必要です。
Legion Slim 5i Gen 8のレビューまとめ


- 16型の大画面
- 色域が広い
- フルHDゲーミングに最適
- 高速転送に対応したインターフェースの数が多い
- CPU性能が高い
- 消費電力がおとなしい
- デザインがおとなしいのでどんな場所に置いても違和感を感じない
- 天板が180°まで開く
- 2560×1600ドットの高解像度モニター
- キーピッチは約19mm確保されているので押しやすい
- WQHD以上の高解像度のゲームは厳しい
- VRAM6GBなので高負荷なゲームではVRAM不足に陥る可能性
- ストレージが512GB
- 重量が2Kgを超え、サイズも大きいので持ち運びには向いていない
- 高負荷時の騒音は少々うるさい
- 一部のキーは特殊な形状となっており押しづらい
「Legion Slim 5i Gen 8」は、CPUにCore i5-13500H、GPUにRTX 4050を搭載するゲーミングノートPCです。
RTX 4050はローエンドですが、フルHDゲーミングも可能なゲーム性能の高さを誇り、ゲームでストレスを感じることはほとんどありません。
VRAM不足に陥った場合も設定を落とすことで問題なくプレー可能です。
個人的に感心したのが冷却性能の高さです。
独自の強力な冷却システムの「Lenovo Legion ColdFront 5.0」のおかげで、CPUもGPUも冷却できており、高負荷な状態でもサーマルスロットリングに陥ることはありません。
長時間ゲームをプレーしてもパフォーマンスが落ちにくいのは大きな魅力です。
ただ、残念ながら「Legion Slim 5i Gen 8」は販売していません。RTX 5050を搭載した「LOQ 15IRX10」が実質的な後継モデルとなっているので、そちらをおすすめします。


今回レビューした、Legion Slim 5i Gen 8は旧モデルということで現在は販売されていません。現在は、後継モデルの「LOQ 15IRX10」が販売中です。RTX 5050を搭載し、価格も10万円代前半に抑えられており、非常に買いやすいモデルとなっています。


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