レノボからLegion Tower 7 34IAS10 (Intel)をお借りすることができました。
お借りできたのは、GPUにRTX 5080、CPUにCore Ultra 7 265Kを搭載したホワイトモデルになります。
ゲーム性能、外観、騒音などを検証し、Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の実力を探っていきます。
【貸出機材提供:レノボジャパン】
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のスペック
| モデル | 90Y60018JM |
|---|---|
| CPU | Core Ultra 9 285K |
| CPUクーラー | 360mm簡易水冷クーラー |
| マザーボード | Intel Z890 チップセット |
| グラフィックスカード | NVIDIA GeForce RTX 5080 |
| メモリ | 64GB (32GB×2) DDR5-5600MT/s |
| ストレージ | 2TB M.2 SSD (PCIe Gen 4×4 NVMe) |
| ネットワーク | Wi-Fi 7、(802.11be 2×2) + BT5.4 |
| 電源ユニット | 850W ATX電源 80PLUS GOLD |
| OS | Windows 11 Home 64bit |
| サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約 211 × 446 × 489.93 mm |
| 標準保証 | 1年 |
| 参考価格 ※2025年12月現在 | 759,990円(税込) |
Lenovo Legion Tower 7にはさまざまなモデルがありますが、今回レビューするのは、CPUにCore Ultra 9 285K、GPUにRTX 5080を搭載したモデルになります。


CPUはインテル Core Ultra 200シリーズのCore Ultra 9 285Kを搭載。24コア/24スレッドで、Core Ultra 200シリーズの中でもハイエンドに位置付けられます。また、K付きなので、オーバークロックに対応しています。
GPUはNVIDIA RTX 50シリーズのRTX 5080を搭載。RTX 50シリーズの中でも、一つ下位にRTX 5070 Tiが、一つ上位にRTX 5090があり、RTX 50シリーズのハイエンドクラスのGPUになります。
VRAMは16GB搭載しており、下位モデルのRTX 5070 Tiと同じ搭載量です。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の外観

左サイドパネルは強化ガラス製となっています。

右サイドパネルは密閉されています。

フロントパネルは無数の格子状のベント(通気孔)が設けられています。

トップパネルにも通気孔が設けられています。フロントパネルのように無数の通気孔が設けられています。フロント寄りには、インターフェースと物を置けるスペースが設けられています。


底面には防塵フィルタがあり、自由に取り外し可能です。

バックパネルには、最上段にマザーボードのインターフェース、中段にビデオカードのインターフェース、下段に電源のオンオフスイッチがあります。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のインターフェースをチェック

フロントトップのインターフェースは下記の通りです。
- USB3.2 Gen2 Type-C×1
- USB 2.0×2
- USB 3.2 Gen1×1
- イヤホン、マイクロホン×1
- 電源スイッチ×1

バックパネルのマザーボード側のインターフェースは下記の通りです。高速転送可能なThunderbolt 4ポートも搭載しています。
- USB 3.2 Gen1×4
- USB-Type A×2
- USB-C(Thunderbolt 4)×1
- DisplayPort×1
- 2.5GLANポート×1
- オーディオポート(マイク/ヘッドホン/ライン入力/出力/)×5

バックパネルのビデオカード側のインターフェースは下記の通りです。
- HDMI ×1
- DisplayPort ×3
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の内部構造をチェック

左サイドパネルを外して、各パーツをチェックします。

なお、ケーブル等を隠すカバーにより、撮影が妨げられる可能性があるので、今回は外しています。

マザーボードは、LENOVO独自のもので、Z890チップセット搭載のものが搭載されています。

CPUクーラーには360mm簡易水冷を搭載。ポンプヘッドにはLEGIONのロゴが装飾されています。

CPUクーラーのラジエーターはフロントに配置されています。ラジエーターにはファンが3基ついており、いわゆるPCケースのフロントファンの役割を果たします。


グラフィックスカードは、RTX 5080を搭載。冷却性能の高いトリプルファン仕様のものとなっています。

ビデオかードホルダーでガッチリと固定されています。

メモリはヒートシンクのないタイプを採用。


メモリはマイクロン製で、容量は32GB×2の64GB構成です。標準設定ではDDR5-5600で動作します。

M.2 SSDはヒートシンクに覆われており、外部から目視できません。

Crystal Disk Infoで確認したところ、SAMUSUNG製の2TBのものを搭載。PCIe Gen4で動作します。

マザーボードの最下段にWi-Fi 7に対応したWi-Fiカードがセットされています。

電源ユニットは80PLUS GOLD認証の850Wのものを搭載。


ケース内のファンは背面に1基、上面に2基配置されています。

右サイドパネルを外すと、3.5インチベイ、電源にアクセスできます。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の拡張性をチェック

ビデオカードの存在感が強すぎて、マザーボードの拡張性は見た目からだと分かりづらいです。そのため、公式サイトをチェックして、マザーボードの拡張スロットを調べてみました。
- PCI Express Gen5 x16 × 1スロット (空0)
- PCI Express Gen4 x4 × 1スロット (空1)
- PCI Express Gen3 x1 × 1スロット (空1)
- M.2 × 3スロット (空2)

ビデオカードが巨大すぎて、PCI Express Gen4 x4 スロットに干渉してしまい、事実上使用不可能です。

M.2スロットの空きスロットは2基あるので、M.2 SSDの増設は可能です。

3.5インチベイが2基あるので、最大でHDDを2基増設可能です。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のライティングをチェック

フロントの3基のファンとLEGIONロゴの装飾が光ります。

ビデオカードのバックプレートと側面が光ります。

CPUクーラーのポンプヘッドが光ります。


背面、上面に配置されているケースファンが光ります。

専用ソフトのLegionSpaceでライティングの細かな設定が可能です。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のパフォーマンスをチェック
検証について

電源モードには静音、バランス、パフォーマンスの3種類がありますが、今回は最も性能が引き出せる、パフォーマンスに設定しています。

パフォーマンスに設定した場合、CPUのPL1は280W、PL2は320Wに設定されます。
CPU
レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2024で、CPUの性能を計測します。
Core Ultra 9 285Kは24コア/24スレッドとコア数スレッド数が多く、マルチスコアは優秀です。Core Ultra 7 265Kと比べて、約20%上回っています。
Core Ultra 7 265Kと比べて、約4%上回り、シングルスコアも優秀なスコアです。
グラフィックス
GPU(グラフィックボード)の3D描画性能を計測する3D Markです。
DirectX 12(DirectX 12 Future Level 12)に対応するテストのSteel Nomadです。4K解像度でテストするので、負荷は非常に重いです。
RTX 5080のスコアはRX 9070 XT、RTX 5070 Tiと比べて、約18%上回っています。
DirectX 12 Ultimateに対応するSpeed Wayです。レイトレレーシングを有効にしてテストするので、負荷は非常に重いです。
RTX 5080のスコアはRX 9070 XT、RTX 5070 Tiと比べて、約18%上回っています。
ストレージ

Crystal Disk Markでストレージの転送側を計測しました。
シーケンシャル読込は約7,100MB/s、書込は約5,000MB/sでした。PCIe Gen4動作のSSDということで、十分すぎるほどの転送速度を発揮しています。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のゲーム性能をチェック
Assassin’s Creed Shadows

ゲーム内のベンチマークモードを使用。
MFGを有効にすることで爆発的にフレームレートが伸び、フルHD、WQHDでは平均200fps近辺に、4Kでは平均150fpsを超えます。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー

公式から配布されているベンチマークソフトを使用。
フルHD、WQHDは平均200fps近辺に到達。4Kでも平均150fps近辺に達しており、どの解像度でも快適にゲームを遊べます。
Apex Legends

ベンチマークモードがないので、平均フレームレートは、一定のマップを周回後、テルミットグレード、スモーク、ウルトを放って計測しています。
グラフィックの設定はプリセットがないため、下記のように全ての項目で一番右端のいわゆる最高に設定しています。

フルHD、WQHDは上限の平均300fps近辺に到達。4Kでも平均200fpsを超えており、快適にゲームを遊べます。
Fortnite

ベンチマークは有志の方が作ってくれたものを使用しています。目まぐるしく視点が動き、銃撃戦もあるため、負荷は重いです。
FortniteはNaniteを有効にすると負荷が凄まじいのでオフにしています。
フルHDは平均300fps近辺に到達。WQHDでも平均250fpsを超えており、4Kでも平均200fpsに迫っています。どの解像度でも快適に遊べます。
Overwatch 2

ベンチマークは有志の方が作ってくれたものを使用します。BOT戦を観戦するものになります。
フルHD、WQHDは平均300fpsを超えています。さらに4Kでも平均200fpsを超えており、どの解像度でも快適に遊べます。
レインボーシックス シージ エックス

ゲーム内のベンチマークを使用します。
フルHDでは平均400fps付近に達し、WQHDでは平均300fpsを超えます。4Kでも200fpsを超えており、どの解像度でも快適に遊べます。
Cyberpunk 2077

ゲーム内のベンチマークを使用します。
オーバードライブ設定にしているため、パストレーシングが有効になっています。そのため、負荷は非常に重いです。
そのため、DLSS FGだと4Kでギリギリ平均60fpsを超えています。
ただ、MFGを有効にすると、フルHDでは平均300fps、WQHDでは平均200fpsを超えています。4Kでも平均130fpsに達するので、余裕を持って遊ぶことができます。
F1 25

ゲーム内のベンチマークを使用します。
超最大設定にしているため、パストレーシングが有効になっています。そのため、負荷は非常に重いです。
特に4Kの負荷は強烈に重く、ギリギリ平均60fpsを超えます。ただMFGを有効にすると、フルHDで平均300fpsを超えて、WQHDでは平均250fps近辺に到達。
さらに4Kでは平均100fpsを超え、どの解像度でも快適に遊べます。
Marvel Rivals

ゲーム内のベンチマークを使用します。
フルHDでは平均200fpsを超え、WQHDでも平均200fps近辺に到達。さらに4Kえも平均100fpsを超えます。
MFGを有効にするとフレームレートはさらに伸びるので、ハイフレームレートを狙うのであれば、有効にしてもいいかもしれません。
Stellar Blade

ベンチマークモードがないので、ステージを一定時間走ってフレームレートを計測しています。
DLSS FGでもフルHDは平均300fps近辺に到達。WQHDでも平均250fpsを超えます。さらに4Kでも平均200fpsを超えるので、4Kでも入フレームレートで遊べます。
MFGを有効にすることでフルHDでは平均500fpsと過剰にフレームレートが出るので、このゲームの場合、MFGを有効にする必要はないと思います。
Monster Hunter Wilds

公式から配布されているベンチマークソフトを使用しています。
フルHDは平均150fpsを超え、WQHDでも平均150fps近辺に到達。さらに4Kでも平均100fpsを超えます。
ウルトラ設定かつレイトレーシング高にすると、VRAMを激しく消費しますが、RTX 5080はVRAM16GB搭載しているので、フレームレートの落ち込みはありません。
ライブ配信の負荷テスト
Fortnite(フルHD・最高設定)の配信・録画をしながらベンチマークを実行し、非配信・非録画時に比べてフレームレートがどの程度変動したかをチェックします。
配信プラットフォームはTwitch、配信ソフトはOBSを使用しています。
OBSの設定は以下の通りです。
| 配信 | 出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
|---|---|---|
| 映像エンコーダー | NVIDIA NVENC H.264 | |
| FPS | 60 | |
| ビットレート | 6,000 Kbps | |
| 録画 | 出力解像度 | 1080p(1,920×1,080) |
| 映像エンコーダー | NVIDIA NVENC H.264 | |
| FPS | 60 | |
| ビットレート | 10,000 Kbps | |
| 録画フォーマット | Hybrid MP4 |
配信・録画をやってもゲーム中のフレームレートの落ち込みはほとんどなく、フレームレートは安定しています。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のクリエイティブ性能をチェック
PC Mark 10
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。
推奨スコアはEssentials (基本性能)は4,100、Productivity (生産性)は4,500、Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作)は3,450です。
いずれのテストでもLenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のスコアは推奨スコアを大幅に超えています。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、x264コーデックでエンコード(ソフトウェアエンコード)にかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の4K動画です。
Core Ultra 9 285Kのエンコードにかかった時間は12分4秒でした。エンコードにかかった時間はほぼRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等でした。
Blender
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はGPUではなく、CPUでレンダリングして性能を計測します。
Core Ultra 9 285Kのスコアは562で、Core Ultra 7 265Fを大きく上回り、圧倒的な優秀なスコアでした。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の冷却性能と静音性をチェック
CPU温度

「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」を使用して、CPUの冷却性能をチェックします。
テスト中のCPU温度は最高で82℃で、ほぼ70℃~80℃の間に収まっています。
インテル Core Ultra 200シリーズは従来のインテルCPUより発熱が抑えられていますが、さすがにハイエンドのCore Ultra 9 285Kの発熱はそこそこ高いです。
ただ、搭載しているCPUクーラーの360mm簡易水冷の冷却性能は凄まじく、Core Ultra 9 285Kを完全に冷却できています。
グラフィックスカード温度

「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用して、GPUの冷却性能をチェックします。
テスト開始直後は温度はなだらかに上昇していき、最終的に70℃前後まで上昇し、テスト中はほぼその温度を維持しています。
RTX 5080は発熱が高いですが、3連ファンモデルということで、しっかり冷却できています。
VRMの表面温度

「Cinebench 2024」を実行中のVRM周りの表面温度をサーマルカメラで計測してみました。
最も発熱の高い箇所でも40℃代に収まっており、冷却できています。
静音性
デジタル騒音計の「FiedNew FN029A」を使用して、Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の騒音を計測しました。
アイドル時は38dBA、CINEBENCH 2024実行時は42dBA、ゲーム(モンハンワイルズ、4Kウルトラ)実行時は41dBAでした。
アイドル時は当然ですが、ゲーム、CINEBENCH 2024実行時でもわずかに風切り音が聞こえるレベルで、騒音はほとんど気にならないです。
| 騒音レベル | 目安 |
|---|---|
| 100dBA | 電車が通るときのガードの下 |
| 90dBA | 騒々しい工場の中 |
| 80dBA | 地下鉄の車内 |
| 70dBA | 騒々しい事務所の中 |
| 60dBA | 静かな乗用車 |
| 50dBA | 静かな事務所の中 |
| 40dBA | 図書館の中 |
| 30dBA | ささやき声 |
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)の消費電力をチェック
システム全体の平均消費電力をワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」で計測しました。
システム全体の平均消費電力は、アイドル時は63W、CINEBENCH 2024実行時は299W、ゲーム(モンハンワイルズ、4Kウルトラ)実行時は399Wでした。
CPUのCore Ultra 9 285Kは、PL1は280W、PL2は320Wに設定されているため、CPUの負荷が高まるとその分消費電力は高くなります。
電源容量は850Wと余裕があるので、高負荷時でも安心です。
Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)のメリット・デメリット

- LEDライティングに対応
- 静音性が高い
- 冷却性能が高い
- 360mm簡易水冷
- GPU性能が高い
- CPU性能が高い
- Thunder bolt4搭載
- メモリ64GB搭載
- ストレージが2TB
- 拡張性はそこそこ高い
- Wi-Fi 7に対応
- メモリの高騰で価格が急騰
- CPUの消費電力が高い
まとめ
「Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)」は、CPUにCore Ultra 9 285K、グラフィックカードにRTX 5080を搭載するハイスペックゲーミングPCです。
4Kゲーミングも可能なゲーム性能の高さを誇り、ゲームでストレスを感じることはまずありません。
もちろん、ゲーム性能だけでなく、64GBという圧倒的なメモリ容量も魅力的です。
各パーツがライティングに対応し、見た目も素晴らしいだけでなく、360mm簡易水冷クーラー搭載により、圧倒的な冷却性能の高さも魅力的です。
そのおかげで、各ファンがフル回転することはなく、高い静音性が保たれます。高負荷な状態でも、騒音で気になることはまずありません。
「Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)」は弱点はほぼない完璧なゲーミングPCと言えますが、唯一の欠点と言えるのが価格です。
現在、メモリ高騰により凄まじく価格が上がっています。おそらくメモリ64GB搭載なのが大きな影響を与えているようです。
とはいえ、現在、標準構成でメモリ64GBのモデルは数少なく、そういう意味では「Lenovo Legion Tower 7 34IAS10 (Intel)」の存在は貴重と言えます。
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