RTX 3050は、2022年1月に発売されたRTX 30シリーズのローエンドモデルに位置づけられるGPUです。ローエンドモデルでありながらVRAM8GBを搭載していたので人気がありました。
その後、2024年2月、ひっそりとVRAM6GBを搭載したRTX 3050がひっそりと発売されました。
本記事では、VRAM 6GB版のRTX 3050の基本性能や特徴を詳しく解説し、実際のゲームでのパフォーマンスを検証します。最後にRTX 3050搭載のおすすめゲーミングPCを紹介します。
RTX 3050の基本性能
| RTX 3050(6GB) | RTX 3050(8GB) | |
|---|---|---|
| CUDAコア数 | 2,304 | 2,560 |
| ベース/ブーストクロック | 1,042MHz / 1,470MHz | 1,552MHz / 1,777MHz |
| 標準メモリ構成 | GDDR6 6GB | GDDR6 8GB |
| メモリバス幅 | 96bit | 128bit |
| レイトレーシングコア(RTコア) | 18(第2世代) | 20(第2世代) |
| Tensorコア | 72(第3世代) | 80(第3世代) |
| NVIDIAアーキテクチャー | Ampere | Ampere |
| NVIDIA Encoder(NVENC) | 第7世代 | 第7世代 |
| DLSS | 2 | 2 |
| グラフィックスカード電力(W) | 70 | 130 |
| 必須の電源 | 補助電源なし | 8ピン×1 |
この6GB版は、CUDAコア数やVRAM容量が8GB版から削減され、さらにクロックも低下していますが、その代わりにグラフィックスカード電力が130Wから70Wへと大幅に抑えられています。
それによって、補助電源が不要となり、8GB版にはなかったロープロファイルモデルが存在します。
RTX 3050のメリット
消費電力が低い

グラフィックスカード電力が70Wと控えめなのは大きなメリットとなります。電源容量を少な目にできるだけでなく、補助電源を必要としないので、取り付けも楽です。
さらに、補助電源を必要としないので、ロープロファイルモデルもあるので、小型のPCを組みやすいです。
RTX 3050のデメリット
DLSSフレーム生成に非対応
AIが中間フレームを生成し、フレームレートを大幅に上げる技術である、DLSSフレーム生成はRTX 40シリーズ以降の対応なので、このRTX 3050は非対応です。
ただし、FSR FGは可能なので、フレーム生成自体は設定可能です。
VRAM6GB

VRAMはGPU専用のメモリで、主にゲーム中に激しく消費します。
VRAMにはGPUごとに容量が決まっていて、この容量をオーバーした時、ゲームのフレームレートはガタ落ちします。
そんなVRAMですが、RTX 3050のVRAM容量は6GBと現代の基準だとかなり少ないです。
最近の高負荷のゲームでは、フルHD解像度ですら、VRAMを大量に消費します。そのため、RTX 3050でVRAM不足を感じた場合、グラフィックスの設定を下げて、VRAM消費量を6GB以内に抑える必要があります。
どんなゲームでも最高設定でプレーしたい方には明確なデメリットと言えます。
RTX 3050と組み合わせるCPUについて

CPUはGPUの性能を引き出すのに必要不可欠なパーツです。このCPUの性能が低ければ、GPUの性能をフルに引き出せません。そのため、組み合わせるCPU選びは慎重に行う必要があります。
ただ、今回はローエンドのRTX 3050と組み合わせるので、いくらCPUの性能が高くても、GPU側(RTX 3050)に限界が来て、いわゆるGPUボトルネックが発生します。
実際、BTOショップもRTX 3050搭載モデルのCPUでは、事実上、エントリークラスのRyzen 5 4500、Ryzen 5 5500、Ryzen 7 5700Xの3種類しか採用していません。
Ryzen 5 4500

Ryzen 5 4500はRyzen 5 4650GというZEN2世代のAPUをベースとしており、性能は控えめです。
価格が安いCPUとして、ローエンドGPUとの組み合わせでよく採用されるCPUです。元々、ゲーム性能で重要となるL3キャッシュの搭載量はわずか8MBしかありません。その代わり、価格がとにかく安いです。
本来であればおすすめしづらいCPUですが、ローエンドのRTX 3050との組み合わせでは特に問題にはならず、おすすめできるCPUとなります。

【おすすめ】Ryzen 5 5500
Ryzen 5 5500はRyzen 5 4500と同じくAPUをベースとしており、性能は控えめです。ただ、Ryzen 5 4500と異なり、L3キャッシュの搭載量は16GB、さらにZEN3世代なので、性能はRyzen 5 4500よりは上です。
こちらのCPUも、Ryzen 5 4500と同じく、ローエンドGPUとの組み合わせでよく採用されています。
Ryzen 5 4500搭載モデルと価格はほとんど変わらないので、Ryzen 5 4500搭載モデルを選ぶくらいなら、Ryzen 5 5500搭載モデルを選ぶことをおすすめします。
Ryzen 7 5700X

コスパの高いCPUの代表格としてよく挙げられるのがRyzen 7 5700Xです。
ZEN3世代のCPUで、Ryzen 5 4500やRyzen 5 5500と異なり、L3キャッシュの搭載量は32GBなのでゲーム性能はなかなか強力です。
RTX 3050の性能を引き出すことを考えると間違いなくおすすめできるCPUなのです。
ただ、その分、価格は上乗せされるので、結果としてコスパは悪くなります。RTX 3050との組み合わせでは正直おすすめしにくいCPUです。

検証環境
検証するゲームタイトルについて
ここからはゲームベンチマークでRTX 3050のゲーム性能を検証します。
検証したゲームタイトルは下記の8タイトルです。
- Assassin’s Creed Shadows
- Ghost of Tsushima
- Monster Hunter Wilds
- Cyberpunk 2077
- Marvel Rivals
- FFXIV: 黄金のレガシー
- Stellar Blade
- F1 25
ゲームのグラフィックはそのゲーム内の最高設定にしています。また、フレーム生成は有効にし、MFG対応ゲームにおいてはMFG×4に設定しています。
比較対象のグラボ
RTX 3050の比較対象として下記のグラボを用意しました。
- RTX 5050(VRAM8GB)
- RX 7600(VRAM8GB)
RTX 3050と同じローエンド帯のGPUですが、RTX 5050、RX 7600はVRAM8GBを搭載しています。
3Dグラフィックス性能測定のためのベンチマークソフトの3D Markで、今回検証に使用したGPUのスコアを比較しました。
ラスタライズ性能をテストするSteel Nomad、レイトレーシング性能をテストするSpeed Wayの2種類のテストを使用しました。
RTX 3050のスコアはSteel Nomad、Speed Wayともに、RTX 5050、RX 7600の半分位で厳しい結果となりました。
検証機のスペック

| パーツ | 製品名 |
|---|---|
| マザーボード | ASUS ROG STRIX B650-A GAMING WIFI |
| CPU | Ryzen 7 7800X3D |
| ビデオカード | MSI GeForce RTX 3050 LP 6G OC |
| CPUクーラー | PCCOOLER GAME ICE K4 |
| メモリ | Kingston FURY Renegade DDR5 RGB メモ (16GB×2、DDR5-4800) |
| システム用SSD | WD_BLACK SN770 NVMe |
| アプリケーション用SSD | Kingston NV3 |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX |
| OS | Windows 11 HOME(24H2) |
| 電源プラン | バランス |
CPUにはRyzen 7 7800X3Dを使用しています。3DVキャッシュを搭載しており、ゲーム性能が非常に高いCPUです。RTX 3050の性能を最大限引き出すことができます。


「MSI GeForce RTX 3050 LP 6G OC」です。ロープロファイルモデルなので、スリムケースに収めることが可能です。
RTX 3050のゲーム性能
Assassin’s Creed Shadows

・解像度:フルHD
・画質:最高
・レイトレーシング:全体的に拡散+反射
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:有効
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで26fpsです。VRAMが足りていないので、フレームレートが全く伸びていません。
Ghost of Tsushima

・解像度:フルHD
・画質:非常に高い
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間フィールドを馬で駆け抜けてるときに計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで59fpsです。ほぼ平均60fpsに達しているため、プレーは一応可能です。グラフィックの設定をさらに下げてやれば、さらに余裕をもってプレーできます。
Monster Hunter Wilds

・解像度:フルHD
・画質:ウルトラ
・レイトレーシング:高
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークソフトで計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで18fpsです。
ウルトラ設定だとVARM消費が8GBを超えるので、VRAM6GBのRTX 3050では全く歯が立ちません。グラフィックの設定を下げる必要があります。
Cyberpunk 2077

・解像度:フルHD
・画質:オーバードライブ
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで31fpsです。
オーバードライブ設定にすると自動的にパストレーシングが有効になり、VRAM消費が8GBを超えます。そのため、RTX 3050の平均fpsは伸び悩んでいます。
このゲームにおいてはローエンドのGPUでプレーする際、グラフィックの設定を下げ、レイトレーシング、パストレーシングはオフにして、VRAM消費を抑える必要があります。
Marvel Rivalsの平均fps

・解像度:フルHD
・画質:最高
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで52fpsです。
最高設定だとVRAM消費が6GBを超えるので、RTX 3050の平均fpsは伸び悩んでいます。ただ、グラフィックの設定を下げれば、平均fpsは60以上に達しそうです。
FFXIV: 黄金のレガシー

・解像度:フルHD
・画質:最高
※ベンチマークソフトで計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHD60fpsです。ギリギリ平均60fpsを達成しました。グラフィックの設定を下げ、さらにアップスケーリングを活用すれば、さらに快適にプレーできそうです。
Stellar Blade

・解像度:フルHD
・画質:とても高い
・アップスケーリング:DLSS/FSRクオリティ
・フレーム生成:オン
※1分間走ってフレームレートを計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで76fpsです。平均60fpsを超えているので、快適にプレーできます。
F1 25の平均fps

・解像度:フルHD
・画質:超最大
・アップスケーリング:DLSS/FSR/XeSSクオリティ
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測
RTX 3050の平均フレームレートは、フルHDで20fpsです。
超最大設定にするとパストレーシングが有効になり、負荷は非常に重くなり、VRAM消費が激しくなるのでRTX 3050では厳しいです。
グラフィックの設定を下げる必要があります。
RTX 3050の消費電力
ラトックシステムのワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」を使用し、GPU単体ではなく、システム全体の消費電力を測定します。
上記の表は、FFXIV: 黄金のレガシーベンチマーク(4K・最高設定)実行中の平均・最大消費電力をまとめたものです。
RTX 3050の消費電力は、RX 7600、RTX 5050を大幅に下回ります。
RTX 3050のレビューまとめ

- 価格が安い
- 消費電力が低い
- グラフィックの設定を下げればフルHDゲーミングも可能
- VRAM6GB
- VRAM消費が激しく、さらに負荷が重いゲームは快適なプレーは厳しい
RTX 3050は、まさにローエンドGPUといった感じのゲーム性能です。
Stella BladeをフルHD、最高設定でプレー可能なので、ゲーム性能は絶望的に低いわけではないです。
ただ、やはりVRAM搭載量が6GBというのはかなり不安があります。昨今のゲームはフルHDでもVRAM消費が6GBを余裕で超えるからです。
予算に限りがあり、「グラフィックの設定を最低レベルまで下げても問題ない」、または「VRAM消費が激しくないプレーする」というのであれば、RTX 3050は一つの選択肢としては有りではないでしょうか?
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RTX 3050のおすすめゲーミングPC
【MDL.make】MD3555

| CPU | Ryzen 5 5500 |
|---|---|
| メモリ | 16GB |
| GPU | RTX 3050 |
| ストレージ | 500GB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 99,800円 |
詳細を見る
| CPU | Ryzen 5 5500 |
|---|---|
| GPU | RTX 3050 |
| CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
| メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
| ストレージ | 500GB NVMe |
| マザーボード | A520チップセット |
| M.2 スロット数 | 1個(空き0) |
| 幅×高さ×奥行 | 約210mm×約422mm×約365mm |
| 電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
| ネットワーク | 有線:不明 無線:なし |
| 納期 | 14営業日 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 99,800円 |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ガラスパネルのPCケースを採用 PCケースのカラーをホワイトかブラックの2種類から選択可能 | M.2 SSDの増設は不可能 ストレージが500GB |
Ryzen 5 5500とRTX 5060の組み合わせのゲーミングPCです。
Ryzen 5 5500は、RTX 5060との組み合わせにおいては若干力不足です。ただ、その分価格は安くなっています。
メモリ16GBと標準的な容量です。ストレージは500GBと少々不安なので増設をおすすめします。
マザーボードはA520チップセットを搭載。マザーボードの詳細は不明ですが、1基のM.2スロットのみなので増設には非対応です。
PCケースは、サイドパネルがガラスのPCケースを採用しています。
【ドスパラ】Lightning-G AT5W/AT5B Ryzen5 4500搭載 (発光非対応モデル) 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、PC Game Pass同梱版』

| CPU | Ryzen 5 4500 |
|---|---|
| メモリ | 8GB |
| GPU | RTX 3050(6GB) |
| ストレージ | 500GB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 129,980円 |
詳細を見る
| CPU | Ryzen 5 4500 |
|---|---|
| GPU | RTX 3050 |
| CPUクーラー | 空冷CPUクーラー |
| メモリ | 8GB(8GB×1) DDR4-3200 |
| ストレージ | 500GB Gen 4 NVMe |
| マザーボード | A520チップセット |
| M.2 スロット数 | 1個(空き0) |
| 幅×高さ×奥行 | 約215mm×約347mm×約401mm |
| 電源 | 550W 80PLUS BRONZE |
| ネットワーク | 有線:1Gbps 無線:なし |
| 納期 | 7日 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 129,980円 |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| エアフローに優れたガラスケース Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、Xbox Game Passが付属 | M.2 SSDの増設ができない ストレージが500GB メモリ8GB メモリ増設非対応 |
Ryzen 5 4500とRTX 3050の組み合わせのゲーミングPCです。
Ryzen 5 4500は、RTX 3050の性能を引き出すのに最適なCPUの一つです。
メモリ8GB、ストレージ500GBと容量は少な目です。
ただ、メモリは増設不可能です。
マザーボードの詳細は不明ですが、M.2 SSDの増設は1基のみと、拡張性は限定的です。
PCケースは、標準構成で12cm角のファンが5つ(フロントx2, トップx2, リアx1)付属します。エアフローは優秀です。非発光モデルなのでファンは残念ながら光りません。ただその分、価格は安くなっています。
\ ホワイトモデル /
\ ブラックモデル /
迷ったらこのモデルがおすすめ
【MDL.make】MD3555

| CPU | Ryzen 5 5500 |
|---|---|
| メモリ | 16GB |
| GPU | RTX 3050(6GB) |
| ストレージ | 500GB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 99,800円 |
RTX 3050搭載モデルで最もおすすめなのは、MDL.makeのMD3555です。
特筆すべきは価格です。この価格はRTX 3050搭載モデルの中ではトップクラスに安いです。
CPUがRyzen 5 4500じゃなく、Ryzen 5 5500を採用して10万円に以下に抑えられており、他社を圧倒します。
現状、RTX 3050搭載モデルを探しているのならこのモデル一択と言える状況です。
10万円以下という厳しい予算で抑えたい方にもおすすめできます。
まとめ
RTX 3050はローエンドGPUということでゲーム性能はそれなりです。
ゲーム性能は妥協できて、とにかく価格を重視というのであれば、RTX 3050搭載モデルはおすすめできます。
安いモデルで10万円前後で購入可能だからです。
よくある質問まとめ
- RTX 3050搭載モデルは初心者におすすめですか?
-
積極的にはおすすめできません。常にVRAMのことを気にする必要があり、ゲームのグラフィックの設定をその都度変更する必要があるからです。RTX 3050の後継モデルのRTX 5050搭載モデルも選択肢に入れることをおすすめします。
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-
Apex Legends、Fortniteのような基本無料のゲームはVRAM消費が抑えられているので、そういったゲームを中心にプレーするのであれば問題ありません。ただ、それでも余裕があるわけじゃないので、場合によってはグラフィックの設定を下げる必要があります。
- 組み合わせるCPUは何がおすすめですか?
-
RTX 5050はローエンドGPUなので、性能の高いCPUと組み合わせても、すぐにGPUに性能限界が来ます。なるべくなら安いCPUと組み合わせることをおすすめします。おすすめはRyzen 5 4500、Ryzen 5 5500です。

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