Ryzen 5 8600Gは、2024年2月に発売された「Ryzen 8000G」シリーズのAM5向けAPUです。
APUということで、内蔵グラフィックが強力なのが特徴となっています。
今回の記事では、「Ryzen 8000G」シリーズの中間モデルのRyzen 5 8600Gの基本ベンチマーク、ゲームでのフレームレート、クリエイティブ作業での実力を徹底検証します。
最後におすすめのゲーミングPCについても紹介します。
Ryzen 5 8600Gの仕様

| Ryzen 7 8700G | Ryzen 5 8600G | Ryzen 5 8500G | Ryzen 5 5600G | |
| アーキテクチャー | Zen 4アーキテクチャ | Zen 4アーキテクチャ | Zen 4アーキテクチャ | Zen 3アーキテクチャ |
| プラットフォーム | Socket AM5 | Socket AM5 | Socket AM5 | Socket AM4 |
| コア数 | 8 | 6 | 6 | 6 |
| スレッド数 | 16 | 12 | 12 | 12 |
| ベースクロック | 4.2GHz | 4.3GHz | 3.5GHz | 3.9GHz |
| ブーストクロック | 5.1GHz | 5GHz | 5GHz | 4.4GHz |
| L2キャッシュ | 8MB | 6MB | 6MB | 3MB |
| L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB | 16MB |
| TDP | 65W | 65W | 65W | 65W |
| 対応メモリ | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR4-3200 |
| PCI-Express | Gen4 16レーン | Gen4 16レーン | Gen4 10レーン | Gen3 16レーン |
| グラフィックス機能 | Radeon 780M | Radeon 760M | Radeon 740M | Radeon Graphics |
| CU数 | 12 | 8 | 4 | 7 |
| GPUクロック | 2.9GHz | 2.8GHz | 2.8GHz | 1.9GHz |
| 参考価格 2024年1月時点 | 45,800円 | 30,980円 | 24,979円 | – |
Ryzen 5 8600Gは、「Ryzen 8000G」シリーズのAM5向けAPUで、実質的にRyzen 5 5600Gの後継といえるモデルです。
iGPUにRDNA 3を採用したRadeon 760Mを搭載し、さらにGPUクロックも上昇し、Ryzen 5 5600Gと比べて、GPU性能が大幅に強化されています。
また、アーキテクチャーもZen 4に進化し、PCI-ExpressもGen 4、DDR5メモリに対応など、ほかのスペックも向上しています。
なお、「Ryzen 8000G」シリーズは、Ryzen 7 8700G、Ryzen 5 8600G、Ryzen 5 8500Gの3種類が発売されています。
今回レビューするRyzen 5 8600GはRyzen 7 8700GとRyzen 5 8500Gの中間に位置します。
ただし、Ryzen 5 8500Gは低消費電力の動作に最適化されたZen 4cコアを採用し、CU数も4と少なく、Ryzen 5 8600Gに比べて明確にスペックが劣っています。

なお、Ryzen 5 8600GにはリテールクーラーのWraith Stealthが付属します。
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検証環境
検証機のスペック

| パーツ | 製品名 |
|---|---|
| マザーボード | GIGABYTE B850 AORUS ELITE WIFI7 ICE |
| CPUクーラー | Wraith Stealth |
| メモリ | Kingston FURY Renegade DDR5 RGB メモリ (16GB×2) |
| システム用SSD | WD_BLACK SN770 NVMe |
| アプリケーション用SSD | Kingston NV3 |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX |
| OS | Windows 11 HOME(24H2) |
| 電源プラン | バランス |
検証環境は、一般的なBTOパソコンと同じような構成です。特に高価なパーツは使用していません。またCPUの設定はオーバークロックなどは一切せず、デフォルトの状態です。
比較対象のCPU、GPUについて

Ryzen 7 8600Gの比較対象として下記のCPU、GPUを用意しました。
- Ryzen 5 5600G
- RX 6400
- GTX 1650


なお、GTX 1650、RX 6400はRyzen 5 5600Gと組み合わせて検証します。

Ryzen 5 8600Gの検証ではOCメモリのKingston FURY Renegade DDR5 RGB メモリを使用します。DDR5-4800とDDR5-7200の両方のクロックで検証します。

APUはPCメモリの一部をVRAMの代わりとして使用します。そのため、メモリのクロックを上げると、内部の通信速度が早くなり、パフォーマンスが底上げされます。
Ryzen 5 8600Gの基本ベンチマーク
CINEBENCH 2026

レンダリングベンチマークの最新バージョンのCINEBENCH 2024で、CPUの性能を計測します。
Ryzen 5 8600Gのスコアは、マルチスレッドは3052、シングルコアは582、シングルスレッドは428でした。
Ryzen 5 5600Gと比較すると、マルチスレッドは約20%、シングルコアは約26%、シングルスレッドは約18%上回っています。
他のCPUと比べた場合
3D Mark

GPUの3D描画性能を計測する3D Markです。テストにはFire StrikeとNight Raidを使用します。
Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)のスコアは、Fire Strikeは7,545、Night Raidは28,524でした。
Ryzen 5 5600Gと比較すると、Fire Strikeは約64%、Night Raidは約57%上回っています。
ただ、RX 6400、GTX 1650のスコアには届きませんでした。
Ryzen 5 8600Gのゲームベンチマーク
Assassin’s Creed Shadows

・解像度:フルHD
・画質:低
・レイトレーシング:隠れ家のみ
・アップスケーリング:FSRパフォーマンス
・フレーム生成:有効

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは49に達し、GTX 1650とほぼ同等です。
Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約76%上回っています。
平均fpsが60に達しなかったのでこのゲームでは解像度を720pなどに下げる必要があります。
Cyberpunk 2077

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは102に達し、GTX 1650とほぼ同等です。
Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約76%上回っています。
平均fpsが100以上に達しているので、グラフィックの設定を少しぐらい上げても問題ないと思います。
Marvel Rivals

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは98に達し、GTX 1650とほぼ同等です。
Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約68%上回っています。
平均fpsが100以上に達しているので、グラフィックの設定をもう少し上げても平均60fpsでのプレーは可能だと思われます。
FFXIV: 黄金のレガシー

・解像度:フルHD
・画質:標準品質(ノートPC)
※ベンチマークソフトで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは55に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約50%上回っています。
このゲームはAPUとの相性が悪いのか、思いのほかフレームレートが伸びていません。RX 6400やGTX 1650との差はかなり開いています。
3Dグラフィックス解像度スケールの値を下げてやれば、平均60fpsに達するかと思います。
Fotnite

・解像度:フルHD
・画質:パフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは223に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約50%上回っています。
一方、RX 6400、GTX 1650との比較では大差をつけて下回っています。
とはいえ、平均fpsは200を超えているので、十分快適にプレー可能です。
Skull and Bones

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは70に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約57%上回っています。
一方、RX 6400、GTX 1650との比較では若干下回っている印象です。
とはいえ、平均fpsは60を超えているので、十分快適にプレー可能です。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X

・解像度:フルHD
・画質:低
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
※ベンチマークモードで計測

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fpsは65に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約77%上回っています。
一方、RX 6400、GTX 1650との比較では若干下回っている印象です。
とはいえ、平均fpsは60を超えているので、十分快適にプレー可能です。
Varorant

・解像度:フルHD
・画質:最低
※演習場で周回してフレームレートを計測

このゲームはグラフィックのプリセットが用意されていないので上記画像のように設定しました。

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fps385に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約35%上回っています。
RX 6400、GTX 1650を上回り、Ryzen 5 8600Gにとっては一番良好なゲームパフォーマンスが出たゲームです。
特にメモリオーバークロックの恩恵はすさまじく、約20%上回っています。
Apex Legends

・解像度:フルHD
・画質:最低
※演習場で周回した後、スモーク、ウルトなど負荷の重い処理をしてフレームレートを計測

このゲームはグラフィックのプリセットが用意されていないので上記画像のように設定しました。

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の平均fps100に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、平均fpsは約50%上回っています。
メモリオーバークロックすれば、ウルトなどの負荷の重いシーンでもfps60を維持できるので快適にプレーできます。
一方、RX 6400、GTX 1650との比較では大きく下回っています。
Ryzen 5 8600Gのクリエイティブ系ベンチマーク
PC Mark 10
PCMark 10は、Windows PCの総合的な性能を評価するための業界標準のベンチマークソフトです。下記の3つの要素でベンチマークを行い、スコアを算出します。
- Essentials (基本性能):Webブラウジング、ビデオ会議、アプリの起動時間など、毎日の基本的なニーズを満たすための性能を測定します
- Productivity (生産性):スプレッドシート(表計算)やライティング(文章作成)など、一般的なオフィス作業における性能を測定します。
- Digital Content Creation (デジタルコンテンツ制作):写真編集、動画編集、レンダリングなど、負荷の高いクリエイティブな作業における性能を測定します。

Ryzen 5 8600Gのスコアは、Essentialsは9,476、Productivityは15,077、Digital Content Creationは8,634、総合スコアは7,689でした。
Ryzen 5 5600Gと比較すると、Essentialsは約9%、Productivityは約2%、Digital Content Creationは約22%、総合スコアは約11%上回っています。
Digital Content CreationはGPU性能に影響をうけるため、最も差が開きました。
Blender benchmark
Blender Benchmarkは、オープンソースの3Dソフトウェア「Blender」におけるPCのレンダリング性能を計測するための公式ベンチマークツールです。今回はGPUでレンダリングして性能を計測します。

Ryzen 5 8600G(DDR5-7200)の総合スコアは184に達します。Ryzen 5 5600Gと比較して、総合スコアは約24%上回っています。
ただ、RX 6400、GTX 1650との差は大きなものとなっています。特にCUDAが使えるGTX 1650のスコアは突出して高く、Ryzen 5 8600Gの2倍近くのスコアを獲得しています。
Aviutlでのエンコード
無料の動画編集ソフトのAviutlで、ハードウェアエンコードにかかった時間を計測します。素材は10分間のmov形式の4K動画です。
AMD系はVCEEnc、NVIDIAはnvencのエンコーダーを使用します。RX 6400にはハードウェアエンコーダーが搭載されていないので、検証から除外しています。

Ryzen 5 8600Gのエンコードにかかった時間は589秒でした。Ryzen 5 5600と比べて257秒、GTX 1650と比べて174秒早く処理を終えています。
Ryzen 5 8600Gの消費電力

ラトックシステムのワットチェッカーの「RS-BTWATCH2」を使用し、GPU単体ではなく、システム全体の消費電力を測定します。
上記の表は、FFXIV: 黄金のレガシーベンチマーク(フルHD・標準品質)実行中の平均・最大消費電力をまとめたものです。
Ryzen 5 8600Gの平均消費電力は90W、最大消費電力は104Wでした。Ryzen 5 5600Gと比べて微増といった感じですが、RX 6400、GTX 1650と比べて大幅に消費電力は抑えられています。
Ryzen 5 8600GのCPU温度

「Cinebench 2026:Minimum Test Duration:10 minutes」を使用して、CPUの冷却性能をチェックします。CPUクーラーはリテールクーラーのWraith Stealthです。
Ryzen 5 8600GのCPU温度は最高で94℃で、テスト中は90℃を超えている感じです。Ryzen 5 5600Gと比べるとCPU温度は約20℃高いです。
できればリテールクーラーではなく、冷却性能の高いCPUクーラーを別途用意したほうがいいです。
Ryzen 5 8600Gのレビューまとめ

- マルチコア、シングルコア性能はRyzen 5 7500Fに匹敵
- 内蔵グラフィックの性能が優秀(一部ゲームではGTX 1650、RX 6400と同等のパフォーマンス)
- 消費電力は低い
- OCメモリでゲームパフォーマンスが大幅に上昇
- 価格が安い
- フレーム生成に対応していないゲームでもAFMFでゲームパフォーマンスが向上
- CPU温度が高い
- L3キャッシュの容量が少ないので、ビデオカードを後付けした場合、性能が発揮しづらい
- OCメモリの価格が高騰していて導入しづらい
Ryzen 5 8600Gの内蔵グラフィックの性能は、前世代のRyzen 5 5600Gと比較して大幅に向上しています。ゲームによっては2倍近くの平均fpsを出しています。
OCメモリを使えば、ゲーム性能はさらに向上し、一部のゲームではGTX 1650やRX 6400に匹敵し、内蔵グラフィックとは思えないほどのゲーム性能を発揮します。
今回の検証では使用していませんが、AFMFが使えるので、フレーム生成非対応のゲームでもパフォーマンスが大幅に向上します。
CPU単体の価格も3万円前後と買いやすく、上位のRyzen 7 8700Gと比べても大幅に安く、コストパフォーマンスは非常に高いです。
CPU温度が高いのは弱点ですが、別途3,000円クラスのCPUクーラーを使えば、十分冷やしきれます。
また、OCメモリの価格が高騰しているのもマイナスです。DDR5-4800でも十分なゲーム性能を発揮できるので、あえて、OCメモリを使用しないのも一つの手かと思います。
Ryzen 5 8600G搭載のおすすめゲーミングPC

現在、HPのセールでRyzen 5 8600Gより上位のRyzen 7 7800G搭載モデルがセールとなっているので、あえてここではRyzen 7 7800G搭載モデルを紹介します。
【HP】【新春大祭り2026】HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデル

| OS | Windows 11 Home |
|---|---|
| CPU | Ryzen 7 8700G |
| メモリ | 32GB |
| GPU | Radeon 780M |
| ストレージ | 1TB NVMe対応 M.2 SSD |
| 価格 | 129,800円 |
製品仕様を見る
| CPU | Ryzen 7 8700G |
|---|---|
| GPU | Radeon 780M |
| CPUクーラー | 空冷クーラー |
| メモリ | 32GB DDR5-5600 |
| ストレージ | 1TB Gen 4 NVMe |
| マザーボード | B650チップセット |
| M.2 スロット数 | 1個(空き0) |
| 幅×高さ×奥行 | 約155mm×337mm×約315mm |
| 電源 | 280W 80PLUS Platinum |
| ネットワーク | 有線:1Gbps 無線:Wi-Fi 6、Bluetooth5.4 |
| 納期 | 最短3月28日お届け予定 |
| 保証 | 1年間センドバック保証 |
| 価格 | 129,800円 |
マザーボード画像

| メリット | デメリット |
|---|---|
| コンパクトなケースを採用 メモリ32GB搭載 Wi-Fi 7、Bluetooth5.4に対応 静音性が高い | カスタマイズが不可 M.2 SSDの増設は不可能 |
Ryzen 7 8700GのゲーミングPCです。メモリ32GBと大容量です。、ストレージは1TBと標準的です。マザーボードはB650チップセットのHP特注のものを搭載。M.2スロットは1基しかなく、拡張性は限定的です。Wi-Fi 6、Bluetooth5.4に対応とネットワーク周りは充実しています。

正確にはゲーミングPCではなく、OmniDeskのオフィス向けPCなので、デザインに一切派手さはないです。サイズはコンパクトなので、デスクの上に置きやすく、また前面にUSBのインターフェースが多く配置されており、扱いやすいです。
\年末大感謝祭セール品!/

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